ソコタノ日記:『パッケージデザインのひみつ』がめっちゃおもしろかった。

アトロクで『パッケージデザインのひみつ』を知った。

「アフター6ジャンクション」のPodcastをよく聴きます。今は、放送時間帯の変更により「アフター6ジャンクション2」になりましたが、そのおもしろさは変わりません。

‎Apple Podcast内のアフター6ジャンクション 2
‎レジャー · 2024年

美術展や書籍、音楽などさまざまな文化について広く深く情報を提供してくれます。
ある時『パッケージデザインのひみつ』という書籍の紹介がなされました。

https://amzn.to/3SaCCRV

これがめっちゃおもしろかったのです。
番組の中ではいくつかのエピソードが紹介されたのですが、その中のひとつに「フタにヨーグルトが付かないひみつ」がありました。
ヨーグルトのフタをあけてもヨーグルトが付かないってこと、特に気にもしていませんでした。が、いわれてみればたしかにフタにヨーグルトがあまりついていません。
ちゃんと工夫がなされているからなのです。
森永のアロエヨーグルトは人気商品だったのですが、実は苦情も多く寄せられていたそうです。「ヨーグルトを開けたら飛び散ってスーツに付いた」「フタに付いたヨーグルトがもったいない」(その気持ちよーくわかります)というように容器に関するものが多かったそうです。
で、どうしたらフタにヨーグルトがつかなくなるか……技術はいろいろと考えたのですが300種類以上のテストも不発に終わり神頼みとばかりに会社のお稲荷さんにお参りをしたのだそうです。
で、近くの池に蓮の葉があり水滴をはじいていることに気づきました。蓮の葉を調べてみると微細な突起物が表面を覆い尽くしていたのだとか。それを応用してフタに採用したのです。
でもでも、水を弾きやすくすると今度はカップに接着するのがむずかしくなる……アロエヨーグルトの容器にはそんな秘密が隠されていたのです。
他にも、「最後まで楽に絞るためのわさびのチューブの工夫」などの話題も出ていました。
面白い! これは、読まなきゃと思い、すぐにAmazonで注文することにしました。

プロの思いは細部に宿る

読んでみて知ったのは、プロの仕事のすごさでした。
さまざまなパッケージが紹介されていますが、どれもすごい! と思わずにはいられないものばかりでした。
上記のアロエヨーグルトの容器以外にも気づかぬところにすごい工夫がかくされていました。

私がすごいと思ったもののひとつは、飲料用の缶のステイオンタブというもの。

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ステイオンタブの缶蓋

鳥が飲み込まないようにということでタブが取れないようにしたという話は聞いたことがありました。が、ただ取れないようにしているのではありませんでした。
タブが回らないようにくぼみを付けたり、指を切らないように丸みをつけたりするくらいは納得ですが、開く部分が左右不対称な形をしているなんて気づきもしませんでした。
左右不対称にすることで、てこの原理を応用して徐々に力が入るようになるのだとか。
普通に作れば左右対称にしそうなところです。そして、それでもそこそこの力を入れれば開けられるはずなのでしょう。が、そこにも左右不対称の工夫を入れるというところにプロの思いの強さを感じずにはいられません。
本当に感動です。

この本を読んだらもう普通にパッケージを見ることはできない!

あとがきのところに公益社団法人日本パッケージデザイン協会理事の山﨑茂さんが次のような文を載せています。

パッケージデザインのひみつを知ってしまったあなたの暮らしは、以前のものとは違うかもしれません。

あとがき

この一文を読んで「やられた!」って思いました。
全くその通りなのです。何気なく購入した商品のパッケージ。よくよく見ると、これは工夫なんだぁと気づくようになりました。また、工夫があるんじゃないか? ってしげしげと見てしまうことにしばしばって感じになりました。
山﨑さんの思うつぼ! って感じです。

表紙も裏表紙もすごい!

さすがは、パッケージデザインの工夫について書かれている本です。表紙はお菓子の入れ物のような切れ目が表現されています。もちろん、切って開けることはできません。

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お菓子のパッケージみたいに切れ目がデザインされている。

が、カバーを外してみると下のようになっているのです。

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書籍本体の表紙は、紙蓋を開けたようにデザインされている。

写真ではありますが、お菓子のパッケージを開けたように見えるのです。たまたまカバーをはずしてみたらこうなっていて、やるなぁって思いました。

さらに、裏表紙にもおもしろい工夫が施されています。これも、画像で紹介しようと思いましたが、やめました。
この記事を読んでおもしろと思われた方は本屋さんで見てみてください。「やるな!」って思わずにはいられません。

プロの仕事を知るってのはめっちゃ楽しい!

小学校の教員をしていた時、できるだけ外部の人達を呼んで、話をしてもらうようにしました。
キャリア教育の一環としてという要素もありましたが、子どもたちに、プロはすごい! 大人はすごい! 自分もなんかのプロになりたい! って思ってほしかったからです。
NHKでも「有吉のお金発見 突撃カネオくん」や「プロフェッショナル 仕事の流儀」、「探検ファクトリー」などの番組でプロの仕事のすごさってのを教えてもらうことができます。

ボーっとしていると気づかないけれど、よくよく注意してみるとプロはこんなすごいことをしているんだぁって思わされます。

そういう仕事ぶりを知るのはめっちゃ楽しい! って自分では思っています。
税別1800円でそれを垣間見ることができるのは安い❗ って思いました。おすすめの書籍です。

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