ソコタノ日記:COTEN RADIO 「やなせたかし編」に感動した。必聴です!

この記事の初出はソコタノ日記:COTEN RADIO 「やなせたかし編」に感動した。必聴です!です。

COTEN RADIO を毎回聴いている。

自分は、ラジオ世代なので、Youtube のような動画は、学習目的以外ではほとんど見ることがありません。 もっぱら Podcast を聴いています。(映像ならば、TV で WOWOW や NHK の番組を見たり、 Disney+ 、 Amazon Prime Video の配信を見ることが多いです。)
で、時間に限りがありますから、登録している Podcast 番組でも、全ては聞ききれません。が、ほぼ毎回聴いているものがあります。そのひとつが COTEN RADIO です。

COTEN RADIO | 歴史を面白く学ぶコテンラジオ | 株式会社COTEN
歴史を愛し、歴史を知りすぎてしまった歴史GEEK3人と、圧倒的歴史弱者がお届けする歴史インターネットラジオ。 学校の授業では中々学べない国内外の歴史の面白さを学び、「人間とは何か」「現代人の抱える悩み」「世の中の流れ」を痛快に読み解いていく...

「圧倒的歴史弱者」などと謙遜されていますが、代表の深井龍之介さんを中心に優秀な人達が、テーマを決めてそのテーマについて深堀りし、解説してくれる番組です。
歴史の解説などというと、小難しい感じがするかもしれませんが、そんなことは全くありません。
現代的な感覚で、その時点での出来事、人物を大変おもしろくかつ深く説明してくれます。還暦を過ぎた私なんぞは、聴いていて何度も眼から鱗を落としてもらいました。

「やなせたかし編」に感動した。

2024年の4月初旬までで配信された最も新しいテーマは「やなせたかし編」です。アンパンマンの作者として有名です。また、「手のひらを太陽に」の作詞者であるということくらいは、私も存じておりました。
が、その生涯がどういうもので、やなせさんの作品にはどういう願いがこめられているのか? ということをほとんど知りませんでした。
が、シリーズ6本の Podcast を聴いて、ほんとうに感動してしまいました。

アンパンマンはなぜあんなヒーローになったのか? なぜアンパンマンマーチの歌詞の出だしは「なんのために生まれて 何をして生きるのか」ではじまるのか? 「愛と勇気だけが友達さ」で、なぜ他に友達がいないのか?、それらの疑問の答えはあまりにも深すぎました。

私なんぞはよく知らなかったので、「アンパンマンってお腹をすかせ苦しんでいる人たちに自分の頭を食べさせるって気持ち悪いじゃん。頭を外して『はい、僕を食べて』っていわれて食べられるもんじゃないでしょう。」などと言っておりました。
今は、Podcast を聴いて、その浅薄な考えを恥ずかしく思います。

「やなせたかし編」シリーズの5本目では次のような旨の解説がなされます。

戦後、多くのヒーローが生まれた。スーパーマン、スパイダーマン、月光仮面、……。
やなせさんは既存のヒーローを見て、その正義に疑念をもった。戦争や飢えを直接体験してきた彼は、飢えた人を助けに行くというようなことを全然やらない。することといえば悪者を倒して町や森を破壊し、正義が勝ったと言うだけ。
ヒーローは派手な服装で空を飛び戦うってどうなのだろうと思った。どんなにはげしく戦ってもヒーローの服はやぶれたりよごれたりすることはない。自分たちが戦争から引き上げてきたときは、服は汚れぼろぼろになっていた。米兵を見てみじめな気持ちになったのに、ヒーローたちは身ぎれいなまま。リアリティがない。自分のことだけアピールしているように見えた。
強力な武器や技で物を破壊し、戦争賛美のように思えた。そういうヒーローの正義は胡散臭いと思えた。
自分が正義という者は胡散臭い。戦争が起こると、戦っているそれぞれの国が自分たちの国を正義だという。悪いやつの相手をやっつけると正義が勝ったという。でも、戦争の間に子どもたちは飢えたり死んだりしている。そういう世界のリアリティに対してヒーローたちは答えられているのか? 戦争中に飢えた思いをした自分をヒーローたちが助けてくれるとは思えなかった。
そうした疑問から本当の正義を行う新しいヒーローを書きたいという気持ちになった。本物の正義のヒーローとはなんなのか? 正義は不安定なもの。ある日突然逆転することがある。単純な善と悪との対決を書いても意味はない。どうしたらいいのか? 「逆転しない正義」とはなんなのか? と考えた。
「逆転しない正義」は……食べ物。眼の前で餓死しそうな人がいるならば、その人にひとかけらのパンを与えること、その愛と献身こそが「逆転しない正義」じゃないか? とやなせさんは考えた。どういう状態でもそれは正義になるのだろう。その考えは、戦時中に厳しい飢えを体験に基づくものであるゆえに説得力がある。
もし、正義の味方がいるとするならば最初にやらなくちゃいけないことは飢える人を助けることなんだ。自分がヒーローを作るのならば、悪い人をやっつけるヒーローではなく、ひもじい人を助けるヒーローなんだ。自分の身を犠牲にしてでも食べさせてくれる人がいたならば、人間にとってどれだけありがたいことなのか。これがやなせさんのアンパンマンの原点なのだ。
(要約 引用者)

正義と悪は立場によって逆転することがある。ロシアとウクライナ、イスラエルとハマスの戦いを見ていれば、全くそのとおりだと思えます。逆転するようなものをは、真の正義とは言えない、逆転しないような正義についてやなせさんは一生懸命考えたそうです。
飢えた人がいるとき、自らを犠牲にしてまでも食べ物を与える、それこそが逆転しない正義なのだという考えから生まれたのがアンパンマンだったのです。

他にも、そうだったのか? というお話がたくさん聴けます。
東日本大震災で高齢になった自分に何ができるのか? と考えたやなせさんの決断には涙が出ました。避難所のラジオから流れるアンパンマンマーチを聴いて、笑うことを忘れていた子どもたちが声を揃えて歌ったというエピソードなどぐっときました。
やなせさんこそヒーローであり、アンパンマンそのものなのだと COTEN RADIO の方々は言っていますが、私もそのとおりだと思いました。

やなせさんの生き方について学び直そうと思っている

私は、COTEN RADIO 「やなせたかし編」全6本、再度聞き直し、さらにやなせさんに関わる書籍をいくつか読んで、やなせさんの生き方についてもう少し勉強することにしました。

COTEN RADIO 「やなせたかし編」、子どもに関わることがある保護者や教育関係者、すべての人におすすめいたします。

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