ソコタノ日記:担任した子の演奏会に行ってきた。人は努力によって超能力を身につける!

定年退職後の生活をそこそこに楽しむソコタノ日記です。この記事の初出は、Note の記事 ソコタノ日記:担任した子の演奏会に行ってきた。人は努力によって超能力を身につける!です。

担任した子から演奏会のお誘いをいただいた

先日、担任した子からお手紙をいただきました。担任した子といっても、それは、小学校3年生のときのことで、現在は立派な大人になっています。仮にMさんとします。
Mさんは、音楽大学で声楽を学び今年卒業しました。その記念の発表会が開かれるのでよかったら来てくださいということで、招待状を送ってくれたのでした。小学校3年生のときに担任しただけなので、ありがたいことだと思います。

声楽には詳しくないけれど、感動した

私は、クラシックには詳しくありません。時々「題名のない音楽会」を見てクラシック音楽も魅力的だなぁっと思う程度です。甲斐よしひろさんや東京スカパラのコンサートなどには行きますが、クラシックは何かの縁がなければ聴きに行くことはありません。Mさんが学んでいるのは声楽で、その声楽については、全くといっていいほど知識がありませんでした。
でも、Mさんの晴れ舞台なので行かずにはいられませんでした。

で、彼女の歌を聞きました。すばらしいと思いました。会場は音楽専用に作られているホールなので音響がいいということもありますが、PAを通さなくても彼女の声は会場いっぱいに響きました。声の力強さ、幅広い音域、言語では表せない表現力……心を動かされるという言葉がありますが、文字通りそういう感じがしました。

で、思ったのは次のようなことです。

こういった表現は普通の人間にはできるものではない。常人の能力を遥かに超えた超能力といえるだろう。人は努力することでこんなにすごい能力を身につけることができるんだ。

音楽大学で学ぶわけですから、音楽に特化した教育をMさんは受けてきたわけです。専門的に学ぶというのは、かなりの努力が必要なのだと想像されます。日々自己を磨いて磨いて磨き抜くような精進をしてきているのだと思います。

人の可能性は本当に無限大ってMさんから学んだ

小学校3年生のときのMさんは、特別な子ではありませんでした。おそらく音楽の授業は音楽専科の教師が指導したのではないか? と思うのですが、彼女が特別に音楽的な能力がすぐれていたという印象はありません。ごく普通の女の子でした。運動がまあまあ得意で明るい子という印象でした。

演奏会後、少しだけ話をすることができたので聞いてみました。
「歌声が素晴らしかったよ。感動した。人は努力することでこんなにすばらしい力を身につけるのだと思ったよ。ただ、小学校のときには、こういった道に進むとは思ってもみなかった。どうしてこの道に進むことにしたの?」
詳細は省きますが、Mさんの話では、もともと歌には興味があったのだけれども、中学校で出会った教師との御縁がきっかけになったということでした。そして、高校で音楽の専門教育を受け音楽大学に進んだということでした。

私から見れば、ごく普通の女の子が、自分の興味と人との出会い、そして大きな努力により、すばらしい能力を身につけたというように受け取れました。

現役で教員をしていたとき、何人の子を担任してきたかはわかりません。どの子も私にとっては普通の子でした。運動能力に長けた子や学力の優れた子はいましたが、それもある程度普通の範囲の中にはいるのだと思います。
が、そういった子の中から、Mさんのように夢を叶えるために努力し他にはないような能力を身につけた人がたくさんいるのだろう想像されます。

よく「子どもには無限の可能性がある」とはいいますが、それは、単なる美辞麗句などではなく、事実なのだと実感しました。

眼の前にいる子ども、……その子がどう成長していくか? ってのは、本当にわからないといえるのかもしれません。それゆえ、教育にたずさわる仕事ってのは、価値があるし、こわいことでもあると思えます。

若さは力! 若さは超能力!

Mさんの話によると、大学院にも進み、さらに声楽を学ぶのだそうです。
「プロを目ざしているの?」とたずねると「はい。できれば。」との返事。わたしのようなシロートでも、音楽関係、特にクラッシク畑でプロになるというのは、難しいということはわかります。
でも、夢に向かって努力するってのは、すばらしいことだと思います。

Mさんの演奏を聴いて思ったことがもうひとつありました。ゲストで? 出演された先輩たちの演奏はすばらしかったです。特に、ショパンの曲を弾かれた女性のピアノの演奏は圧巻でした。ただMさんたち若い方たちの演奏には、そういった先輩にはない魅力が感じられました。勢いというか、みずみずしさというか、必死さというか、……若い人だけがもつ輝きみたいなものが感じられました。
シロートの私に技術云々は語れません。が、若さというのはそれだけで力なのだと感じました。
Mさんたちの武器は、前に進もうという強い推進力のようなもの、成長しようとする伸びしろのようなものなのかもしれません。
それが、年寄りの私にはかっこいいと思えました。

別れ際、私が「大学院に進んでさらに勉強するんだね。がんばってね。」というと「はいっ。2年したら、またここで発表します。そのときには、また来てくださいね。」と子どもの頃を彷彿とさせる笑顔で答えてくれました。

……前に進もうとする若さこそ超能力なのかもしれません。私も、少しはそれを維持しよう! と思いました。

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