退職後の新しい生活をそこそこ楽しむ「ソコタノ日記」です。初出は、 note.com です。
チケットの体裁は多様になった
コロナ禍でも、感染予防を意識して遊びに行くようにしています。ちゃんとマスクをし、こまめに手洗いをすれば、外に出られないというわけじゃありません。気をつけて愉しめばいいのだと考えています。
落語、美術館、博物館、芝居、コンサート、……いろいろと行きました。その中で思うことは、チケットの体裁が多様になったということです。
気が向いたときにその場に行ってチケットを購入し入場するっていうパターンは、コロナ禍のため圧倒的に少なくなりました。多くの場合、事前にチケットを購入したり、事前に予約をしたりする必要があります。そして、チケットは、さまざまな形になりました。
- ネットで注文し、コンビニで紙のチケットを手に入れ、それを使って入場する。
- ネットで注文し、スマートフォンで電子チケットを表示し入場する。
- ネットで注文し、スマートフォンで電子チケットを表示し、紙のチケットに交換してもらい入場する。
- 直接窓口で紙のチケットを購入し、それで入場する。
- 直接窓口では購入できず、近くのコンビニで発見してそれで入場する。
とりあえず、思い出されるのは、上記のようなパターンです。
うれしいのはオリジナルのチケット
色々な体裁のチケットがあるわけですが、うれしいのは、やはりオリジナルのチケットです。デザインが工夫され、ひと目見てどこの何を見てきたかがわかるものです。
これらのチケットは、事前に予約したものではなく、当日窓口で購入したものです。「和田誠展」のチケットなどとても素敵なデザインだと思います。私は、チケットやパンフレットなど、ファイルに保存するようにしていますが、ファイリングするときもこういったチケットを綴じ込むことで楽しくなってしまいます。
コンビニ発行のチケットも悪くはないけど
しかしながら、芝居やミュージカル、コンサートのチケットなると上記のように当日窓口で購入するというわけにはいきません。事前にネット注文しコンビニなどで発券するしかありません。良い席は、できるだけ早めに購入しなければなりませんし、下手をすると販売後15分で売り切れってことになることだってあります。当日にチケットを購入するなんてありえません。
ネットで購入+コンビニで発券以外にはないのです。そうなると、みんな同じ体裁のチケット用紙に文字を打ち出したものになってしまいます。
一枚一枚打ってある文字は違うのだけれど、どれもこれもコンビニに用意されている紙ってのはもうひとつ魅力を感じません。文字を読んで「あー、〇〇のライブに行ったんだよなぁ。」と納得するしかありません。それは、それで価値はあるわけだし、思い出が薄れるってことはないのですが、やはりオリジナルのチケットにはかないません。
ただコンサートや芝居の場合、アーティストによっては、ファンクラブ会員に向けてオリジナルのチケットを事前に販売することもあるようです。
知り合いに甲斐バンドのファンクラブの会員がいたので、このライブに行くことができました。やはりかっこいいです。ライブのチケットってこうであってほしいと思います。
電子チケットのみじゃつまらない!
最悪なのは、電子チケットのみっていうパターンです。ネットで購入し、スマートフォンで入場のときにチケット画面を見せるというものです。モノとしては何も残りません。
最近では「バンクシーって誰展」がそうだったと記憶しています。
良心的なところでは、電子チケットを見せた後、紙のチケットを替わりにくれることもあります。それも、上記のオリジナルのチケットの形でです。そういうのは、本当にうれしい! って思います。
電子チケットのみというパターンの場合、私は、仕方がないのでバーコードのチケット画面を印刷したりしてモノとして残すようにしています。
これは、「配信で音楽は聞けるけれどもCDとして購入したい」という気持ちに近いのだと思います。モノとしての形を求めるのです。
イベント主催者の皆様にお願い
仮にコロナ禍が終息したとしても、「ネットで予約→電子チケットで入場」というパターンはどんどん増えていくことでしょう。
コンサートにしても落語にしても、芝居にしても、美術展にしても、来場者はわくわくした気持ちで当日を待っています。チケットは、その気持ちとともに会場に入るのです。それが、電子的なものとなり、ある程度の時間を過ぎたら消え失せるとしたら、それはそれはとても悲しいことです。
さまざまなイベントの主催者の方々にお願いしたいのは、たとえ単色刷りの薄っぺらいものであってもいいので、電子チケットにかわるチケットを入場者に渡してもらいたいということです。それが、思い出に繋がり、次のイベントへの参加意欲にもなっていくはずです。
電子チケットというのは、機器の故障や利用者の操作ミス、提供者側のミスによって失われるリスクがあります。利用者は、そういうリスクを冒しても、そのイベントに参加したいと考えています。その気持ちに答えるよう、ぜひぜひ、形に残るようなモノをチケットの形で提供してくださることを心よりお願いいたします。
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