教えた子のコンサートに呼ばれたので行ってみた。
「中学校の吹奏楽部のコンサートがあるので聴きに来てください」と卒業生に声かけしてもらったので、昨日、そのコンサートを聴きに行きました。
会場は、以前担任した子や保護者が多くて、少々気恥ずかしい思いをしました。それでも、みな大きくなっていたので、とてもうれしく感じました。
演奏がすばらしかった。
中学の吹奏楽部なので、そうレベルが高いものではないかな? と思っていたのですが、それは、大間違いでした。
ウェルカムの演奏のレベルも高かったし、第1部のまじめな演奏と、第2部の楽しい演奏の2部構成もよくできていました。
入学して1,2年しか経過していないはずの子たちが、ちゃんと管楽器を吹き、ステキな音色を聴かせてくれるというのは、本当に素晴らしいことだと思いました。
今年7月にコンクールがあるのですが、そこで演奏するのが「民謡の主題によるスコットランド行進曲」(ドビュッシー作曲)でした。私は、素人なのでよくわからないのですが、かなり難しい曲だと感じました。まだ完成度は高くありませんでしたが、一生懸命演奏しているのは伝わってきました。こんな曲にチャレンジするなんてすばらしいと感じました。おそらく指導される先生も力を入れているのだろうと感じました。
素晴らしいのは演奏だけではない
担任した子のひとりが吹奏楽部の部長になっていました。学習面での力があり、人間的にも魅力的な子でした。また、音楽的なセンスの高さも小学校のうちから感じさせるものがありました。学年全体の合唱の指揮をしましたが、彼女の指揮のうまさは今でも目に焼き付いています。
その子は、何曲かサックスでソロを弾いたのですが、その子が吹くと空気が変わるという感じがしました。音色の良さだけではなく、雰囲気を作ることができる演奏でした。
コンサートも大詰めとなり、部長として、その子がマイクを持ってお礼のあいさつをはじめました。しっかりした話でした。ところが、そこで、急にマイクの調子が悪くなったのか、話し声にノイズが加わるようになりました。まあ聞けないレベルではありませんでした。すると、その子は、マイクのスイッチを切り、肉声に切り替えたのでした。張りのある声でしっかりと聞こえてきました。ノイズが入ってから肉声に切り替えるのに数秒しかかけませんでした。対応が素晴らしいと思えました。
急なトラブルに気づき、どうしたらいいか瞬時に判断し、対応したのでした。どうしようか? と迷う素振りは微塵も見せませんでした。素晴らしい反応だと感じました。さすが中学生! とも思いました。そして、その子の成長ぶりを強く感じました。
教職についてよかったと思う
最近、教員の仕事はブラックと言われています。それは、部活のある中学校だけの話ではありません。私の勤務校でも、朝7時前に出勤して21時まで仕事をしている者が少なくありません。(なのに時間外手当は0です。おまけ程度の手当はありますが……。)……正直大変です。
でも、上記のような子どもの成長を見ることができて本当に幸せだと感じます。
コンサートの帰り際、ホールで何人かの子たちと話しました。みな大きくなり、しっかりした感じになっていました。演奏が見事だったと伝えると「失敗しちゃったよ」と照れて見せました。件の部長の子に、演奏とトラブルへの対応が見事で、成長を感じたと伝えたところ、小学校時代と変わらぬステキな笑顔で「そんなことありませんよ。」と返事を返してくれました。
3月まで担任していた5年生も4月から最上級生となり、1年後には中学生になります。きっと、吹奏楽部の子たちと同様にステキな子に成長していくのだろうと思わずにはいられません。
こういう経験ができるものだから、ブラックでもがんばりたい! と思ってしまいます。
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