給食の餃子を残す子どもたち

餃子が大量にバットに戻された。

先日のできごとです。4校時の授業を終えて、給食の時間を迎えました。この日のメニューには、餃子が入っていました。一人4個と多めです。勤務校はセンター給食ですが、餃子は比較的に美味しいメニューに入るかと思います。

「いただきます」を言って食事が始まりました。自分のクラスでは、いただきますの後、苦手なものや食べ切れそうにないものを減らして良いことになっています。(ただし、苦手なものも一口くらいは口にするという約束にはなっています。)

昔のように苦手なものがあろうとも、最後まで食べさせるというような指導は、なくなりました。

そのあとに、おかわりを受け付けることにしています。私は、配膳台の方に向かいました。私の予想では、餃子は、子どもたちの好きなものだからほとんどないだろうと思っていました。餃子を入れてきたバットの中を見ると……たくさんの餃子が戻されていました。……なぜ?? 餃子は子どもが好きな食べ物なのでは??

餃子を食べようとしない理由

大方の子どもは餃子が好きであり、餃子を減らす子どもなどほとんどいないだろう……という私の予想は大外れでした。なぜ、餃子が、もどされたのか?

私は、しばらく前に、餃子が給食のメニューに入った日のことを思い出しました。この日は、餃子が一人2個くばられていました。このときに子どもが喋っている言葉が耳に入りました。

給食の餃子って固いよね。

子どもたちは、餃子を硬い食べ物だと言っていました。学校の餃子は、蒸して作られているようです。(焼き目がないので)その調理法のためか、餃子の皮の合わせ目のところが、一般的に売られている餃子に比べると固めです。皮の部分だけが重なっているために、どうしても固めになってしまうようです。

子どもたちは、餃子の皮の合わせ目を硬いと考えて食べようとしなかったようです。私にしてみると、たしかにお店で食べるような餃子に比べ固いとは思えます。が、噛み潰せないような固さには感じられません。するめほど固いわけではなく、ちゃんと噛んで飲み込むことができるのです。

ここで、想像されるのは、子どもたちが柔らかいものばかり食べて、歯ごたえのある食べ物をあまり食べてきていないのではないか? ということです。他の固めのものも、今回のように敬遠し続ければ、歯ごたえのある固めのものを食べる経験が少なくなります。経験のないことに子どもは弱いものです。固くて噛めないと思い込んでしまうと、それを食べようとはしなくなるでしょう。

このことで、思い出されることがありました。以前担任した子のひとりが、りんごを食べようとしなかったことです。その子に理由を聞いてみました。彼は、こういいました。

りんごは硬いから食べられない。

りんごの硬さというのは、餃子の皮の重なりとは異質の固さと言えそうです。餃子の方は噛みちぎって食べるような感じですが、りんごは最初こそ少し固めと感じるけれど、サクッと噛み始めてしまえば大して固いとは思えません。りんごさえも固くて食べられないのでは少々心配になってしまいます。

やわらかいものばかり与えるのはやめましょ

教員をしていて思うことのひとつは、総じて子どもは弱くなってきているということです。小さな困難にぶつかっただけでふさぎ込んでしまうなんて子はめずらしくありません。保護者の方々が、転ばぬ先の杖を突きまくっているからではないか? と思えます。

給食の餃子くらいを固くて食べられないとなるのは、やはりやわらかいものを食べ続けているからのように感じます。小さなお子様をお持ちの皆様、たまには、歯ごたえのある食べ物をお子様に食べさせてあげてください。

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