10年日記のふりかえりをしたから「人悲します恋をして」に出会えた。

この記事の初出は、 note.com です。

10年日記のふりかえりをしたから「人悲します恋をして」に出会えた。|phantasien
10年日記の振り返りをしている 2009年から10年日記をつけています。そして、10年書き終えてからは、ほぼ日5年手帳にシフトして今に至っています。書いているばかりでは意味がありませんので、毎日5年手帳の前日分を記入したら、その翌日の分(過...

10年日記の振り返りをしている

2009年から10年日記をつけています。そして、10年書き終えてからは、ほぼ日5年手帳にシフトして今に至っています。書いているばかりでは意味がありませんので、毎日5年手帳の前日分を記入したら、その翌日の分(過去2年分)をふりかえるようにしています。また、毎週土曜日に、同じ日から始まる1週間分10年日記と5年日記のふりかえりをしています。
大体同じ時期に同じようなことをしていて、成長がないなぁと自覚するわけですが、それでも、過去の失敗を読んで気をつけたり、よかったことを見て、同じことをしようとチャレンジしたりしています。

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一文が心に刺さった

先日、いつものように10年日記のふりかえりをしていました。小学校の教員の仕事をしていた頃は、この時期は夏休みに入っているのでどこかに遊びに行ったり、あるいは懸案になっているタスクを実行したりさぼって逃げたりしていていることがわかりました。いつも同じような夏休みの生活をしているなぁと思いました。ところが2011年08月17日(水)のところを読んでいて次の一文が心に突き刺さりました。

鈴木真砂女の「白桃に……」という句、すごいと思った。

10年前のことです。鈴木真砂女という歌人についての記憶も、「白桃に」で始まる句も全く記憶にありません。なぜ、その句に出会ったのかということさえもわかりませんでした。しかし、10年日記、5年手帳を12年記録し続けてきて、句を書き残すことなどほとんどありません。よほど「すごい」と思える句だったのだろうと想像されました。

ネットは、便利です。
「鈴木真砂女」「白桃に」の2つの言葉を並べて検索してみると、「白桃に」の続きがわかりました。

白桃に人刺すごとく刃を入れて

続きが明らかになって、10年前に書いた「鈴木真砂女の『白桃に……』という句、すごいと思った。」の気持ちがわかった気になりました。

女性の情念、強さ、怖さ、そんなものが伝わってくるようです。だいたい俳句に「人を刺すごとく」などと使うでしょうか? 「人を刺すように」ではなく「ごとく」という使い方にも、その本気さが伝わってくるようです。

調べてみると、鈴木真砂女さんは、旧家の旅館の娘として生まれ、23歳で結婚しますが、突然夫が失踪し、姉の死により義兄と再婚、旅館を継ぎます。が、30歳で恋に落ち7歳年下の男性と40年にわたる不倫を続けたとのことでした。

現在ならわからなくもありませんが、明治時代にそういった生き方をしたのですからすごいと思いました。情念の人だったんだろうなぁと思いました。

件の句は「人悲します 恋をして」という句集に載せられているということもわかりました。この本のタイトルもすごいです。自らの恋が人を悲しませることを痛いほどにわかっている。でも、だからといってあきらめることができない、また諦めるつもりもない! という思いが伝わってきます。さすが! 言葉に生きている人はすごい! と思いました。

早速、Amazon で注文することにしました。

残念ながら古書でしか手に入れることができませんでした。勿論、古書でもいいので注文し、手に入れることができました。

10年日記をつけていてよかった

もし、10年日記をつけていなかったら、2011年には感動した句も、二度と思い出すこと無く忘れてしまっていたでしょう。鈴木真砂女さんのことも、全く心に残らなかっただろうと思います。
でも、幸い10年日記をつけていて、さらに、ふりかえりを毎週していました。そして、自分の一文

鈴木真砂女の「白桃に……」という句、すごいと思った。

が心に刺さりました。文字通り、「人を刺すごとく」心に刺さったのです。

それにより、鈴木真砂女さんの句に再会し、改めて言葉のもつ強さ、怖さを感じることが出来ました。そして、鈴木さんのことをもっとよく知りたいと思いました。さらに、最近、俳句についての勉強もはじめました。入門書を買い、歳時記を注文しました。私が、何十年かかっても、鈴木さんのような句を読むことは出来ないでしょう。が、少しは、言葉を大事にする生き方を真似したいと思っています。

10年日記をつけていてよかったと強く思うことが出来ました。

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