相沢康夫 創作玩具展 “ SKB ” in SHIZUOKA に行ってきました。

相沢康夫さんとネフ社

 2018/07/15(日) に、妻と D&DEPARTMENT PROJECT SHIZUOKA by TAITA で開かれた、相沢康夫さんの創作玩具展と同時開催の講演「“ひらめきスイッチ ” を語る会」に行ってきました。

 相沢さんは、静岡出身のおもちゃデザイナーで、知っている人はよーく知っているスイス(現在ドイツ)のネフ社の積み木のデザインをされた方です。
 相沢さんのことを知ったのは、大昔で、まだうちの娘や息子が小さかった頃です。縁あって静岡の百町森書店のブッククラブに入会しました。相沢さんは、本と一緒に送られてくる百町森書店の通信を書かれていました。
 私達夫婦は、薄いけれども充実した内容の通信からたくさんのことを学びました。
 その通信でよく紹介されていたのが、ネフ社の積み木でした。ヨーロッパの木製玩具ってのは、高価なものが多かったのですが、ネフ社のものは特にお高い! という印象がありました。
 でも、百町森書店が進めるのだから! と考え、思い切ってセラという積み木を購入しました。

 今、Amazonで2万8千円もするようですが、当時もそれくらいだったのじゃないか? と思います。
 しかし、これを買って大正解でした。セラは本当によく考えられていて、積み木というよりもパズルのように色々と遊べるものでした。妻も娘も私もこのセラにハマりました。その年の正月休みは、ずっとセラで遊んでいたと記憶しています。
 そして、セラがあまりにもよくできているものだから、妻と娘と私の3人でお金を出し合って、ダイヤモンドも購入しました。

 これも、高かったなぁ。

 ネフ社の積み木は高いには高いのですが、その製品の発想の凄さと仕上がりの良さ、完成度の高さを考えるとやむを得ないと思えます。良いものは高い! という当たり前のことを教えてくれるものでした。
 そして、相沢さんはすごいネフ社の積み木をデザインされているのだから、すごい人! なんだと改めて知りました。

 ただ若かった私達には、そう次々とネフ社のおもちゃを購入する資金がありませんでした。相沢さんデザインの積み木を購入したいと思っていたのですが、手に入れられないまま娘も息子も大きくなっていきました。(子育てはお金がかかるから……)

相沢さんのお話が聞ける!

 妻がよく行くお店に D&DEPARTMENT PROJECT SHIZUOKA by TAITA があります。詳しく書くと長くなるのでやめますが、全国の良いものすごい人を教えてくれるという感じのお店です。
 そこで、相沢さんの個展が開かれ、お話が聞けるということを妻が聞いてきて、私を誘ってくれました。
 速攻で行くことを決めました。

 相沢康夫 創作玩具展 “ SKB ”は、相沢さんがデザインされたり、作られたり、改造されたりしたおもちゃや、相沢さんが集められたおもちゃがたくさん展示されていました。残念なのは、展示作品は手を触れることができないところでした。おもちゃは、使ってみてはじめてその良さがわかるものですから、これってどうなっているんだろう? とかこれはなんだ? と思えるようなものがいっぱいありました。
 ……やむを得ないことですね。壊れちゃうと困るから。

 私達は、予約して相沢さんの講演「“ひらめきスイッチ ” を語る会」も聞きました。
 相沢さんが書かれたエッセイを編集して作られた本です。

 この本を元ネタにして、相沢さんがどうしてネフ社の積み木のデザインをすることになったのか? とか、相沢さんデザインの積み木がネフ社ではなく他のおもちゃメーカーで作られることになったのかとか、おもしろいエピソードをたくさん聞かせてもらいました。

 さらに、後半には、上記の展示されていたおもちゃについて実際に動かして紹介をしていただきました。ネフ社の積み木のような高尚なものから、チョコエッグのおもちゃとか、相沢さんがご自身でブラックだとか、バカだとか言われているようなおもちゃまでたくさん見せていただきました。
 ひとつひとつのおもちゃが本当におもしろくて、もう一度子どもに戻りたい! と思えました。

 そして、最後には、展示されていたおもちゃを私達にも触らせてくださいました。相沢さんの実演で「こんなふうに使うんだ」とか「こんな面白い動きをするんだ」とか思っていたおもちゃを実際に使って楽しませてもらいました。世の中には、いろいろなおもちゃがあるもんだと感心してしまいました。……人のアイディアってのはすごい!

すごい人はすごい!

 お話をうかがっていて、相沢さんってすごいなと思えることがいくつもありました。

 その一つを紹介します。それは、相沢さんの知り合いのお話です。
 相沢さんの話に出てくる人が、ちょいと普通じゃない! と思えました。チョコボールのおもちゃのカンヅメを全てもっている人の話では、おもちゃのカンヅメを手に入れるために、チョコボールを200個買うのだそうです。その方によると、100個に1個の割合で金のエンゼルが入っていて、25個に1個、銀のエンゼルが入っているそうです。200個買うと、4個くらいのおもちゃのカンヅメが手に入るとか? ……あれ、数字間違っていたかな? 間違っていたらごめんなさい。
 相沢さんは、その方におもちゃのカンヅメを売ってもらうのだそうです。
 同様に、チョコエッグを1000個買う主婦もいるのだとか、重複して不要になるおもちゃを、相沢さんはおもちゃのカンヅメ同様に売ってもらうのだそうです。そんな知り合い、普通いませんよね。

 ネフ社の創設者クルト・ネフさんとも親交があったというお話もありました。その出会いもステキでした。偶然に偶然が重なって、クルトさんと話をすることができ、ネフ社から作品を出すことができるようになったということです。文字通り、願えば叶うという内容のお話でした。

 相沢さんが、知り合いを紹介するとき、必ずフルネームでお名前を紹介します。名字だけで「青木さん」というようには言わないのです、たくさんの人が相沢さんのお話には登場してくるのですが、みなフルネームだったように思います。人を大事にするということの現れだと感じました。

お土産に相沢さんの作品を購入した。

 素敵なお話を聞き、楽しいおもちゃをたくさん見た後、お土産を購入しました。ほしかった相沢さんの作品2種です。
 ハニカムとヴィーヴォです。決して安いとはいいませんが、おとなになった私達には出せない値段ではありませんでした。2つ同時購入の大人買いです。
 どちらも良くできていて、この夏、2つの積み木でたっぷりと遊べそうです。何よりも素晴らしいのは、美しさです。形と色、そして仕上げ具合が本当に素晴らしいのです。
 うれしかったのは、ヴィーヴォのパッケージなんですが、ネフ社がドイツに移る前のスイスのときのパッケージのものを手に入れられたことです。さらに、ハニカムも欠品になっているそうで、改めて手に入れるのは時間がかかりそうです。

相沢さんデザインのハニカム。SINA社の積み木。良く出来ている。

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ハニカム、なかなか遊べます。 良く出来ています。

Haruo Aokiさん(@phantasien)がシェアした投稿 –

 相沢さんのおかげで、3連休の中日、よい時間を過ごすことができました。

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