映画「貞子vs伽椰子」は、意外と面白い。スルーするのはもったいない。

 2016/07/04(月)「貞子vs伽椰子」を観てきました。

 タイトルからして、いい加減な感じなのでスルーするつもりでした。でも、ネットの評判を見ると、「意外といい」というようなものが多い、ならば観てみるかということにしました。

 結論から言うと「劇場で観る価値あり!」です。
 映画の「リング」シリーズと原作の小説のシリーズは、別物の世界になってしまいました。私は、「リング」「らせん」「ループ」という原作のシリーズの世界が好きなのですが、映画のシリーズも初期の頃はなかなかよかったと思っています。
 映画「呪怨」シリーズも同様に初期の作品に怖さや面白さを感じておりました。

 でも、どちらのシリーズも後半になると、貞子、伽椰子のキャラクターに頼りすぎ、妙に誇張させて、作品作りに粗さが感じられるようになりました。特にストーリー作りにいい加減さが感じられるようになりました。(その辺りは、米国のホラーもののシリーズと同様ですね。)

 今回の「貞子vs伽椰子」は、そのノリで作られたのだろうと勝手に思っておりました。それぞれのキャラが強烈で魅力的だから戦わせたら面白いでしょ? と安易にストーリーを作っているのだろうと思ったのです。故に、スルーを決めておりました。
 でもでも、今回は、ストーリーよくできていると感じられました。勿論、突っ込みどころは結構あります。人が大勢死んでいるのに、警察は全く登場してこないところとか、主要キャラクターが唐突に登場するところとか……。

 それでも、よかったと思わせる部分があるのです。貞子と伽椰子の描き方です。呪いのビデオを見ると電話がかかってきて2日後に死ぬ。2日間の間になんとかしなければ……という設定は初期のリングの世界をまじめに踏襲しています。また、呪われた家に入ると、姿のわからぬものに突然襲われ残虐な方法で殺されてしまうという呪怨の世界観もちゃんと描かれていました。それぞれのシリーズの初期の怖さが、かなりいい感じで表現されているところに正直感心しました。

 勿論、不満もあります。貞子と伽椰子、少々出過ぎで、もう少し露出を抑えた方がよかったのでは? という点や、ラストの話の収め方など、もうちょっと期待に応えて欲しかったというような点です。特にラストについては、賛否両論がありそうです。

 ただ、私は、ラストがどうであろうと、賛否は出てくるように思えます。ラストがどうなるか? を知るためにこの映画を観に行くのならば、がっかりする人も少なくないように思えます。むしろ、クライマックスに至るまでの過程を怖がって楽しむのがこの映画の正しい見方であるような気がします。

 両シリーズの初期の作品がお好きな方には、スルーされず劇場でごらんになることをお勧めいたします。

 

映画『貞子 vs 伽椰子』 | 大ヒット上映中!

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