ソコタノ日記:黄斑円孔の手術を受けて その4 手術後2週間

退職後の新しい生活をそこそこ楽しむ「ソコタノ日記」です。これは、その特別編。黄斑円孔の手術を受けた話です。

2021年暮れに、右眼が黄斑円孔という病気になりました。網膜に穴が空いて視野の中央が見えなくなり、その周りも歪んで見えるようになりました。手術を受けないと悪化するとのこと。そのため1月17日に手術を受けました。
せっかくなので、同じ病気になった人に参考になればと思って、自分の記録や記憶をもとにその様子を記していきます。 なお、私には医療の知識もありませんので、勘違いや記憶違いもあるかもしれません。そのあたりは、ご了承の上、読んでいただければと思います。


これまでの経緯は、以下の記事に記しました。

眼球内の水位は上がっていった。

日が経つにつれて眼球内の水位は上がっていったようで、液面の先は次第に下の方に下がっていきました。前の記事でも書いたように、網膜に作られる像は倒立なので、液が上がるについれて自分の目に見える液面の線は下に下がるように見えます。このため、線の上の方ははっきりと見ることができます。また、下の方はぼやけているとはいえ、指などを眼に近づけるとかなりはっきりと見ることができます。
手術後1週間位で、視野の中心よりも線が下になり、基本的に見たいものを見ることができるようになりました。まだ網膜が穴を塞ぎきっていないので、視野の中心部分は一部見えないところがあります。それでも、手術前に比べれば、かなり見やすくなったという感じです。
また、液が満たされている部分には、小さな黒い粒のようなものが浮いていて虫が飛んでいるような感じがします。まあ、見るのにはそんなにじゃまになるわけじゃありません。
毎日、少しずつ液面を示す黒い線が下がっていくので、順調に眼球内の液が溜まってきていることがわかりました。
この液面の線は、真ん中を過ぎてから次第に曲がっていって弧を描くようになりました。これは、眼球が文字通り球体になっているからです。その弧はどんどん曲がっていき最終的には円の形になりました。
この円は、眼の動きに合わせて動きます。上を見れば下にさがり、下を見ると上がってきます。真下を見ると視野の正面に移動し、見るのをじゃましました。
日によっては、寝ている間に大きな円と小さな円の2つにわかれることもありました。朝、めざめると、視野に2つの円が並んで見えました。小さい円が大きい円にくっついてうろうろ動く姿がスター・ウォーズに登場するドロイドのBB-8みたいでした。おもしろいのは、この2つの円、どちらも時間が経過するに連れ小さくなるのですが、小さい円のほうが確実に早く縮んでいきました。これは、表面積と体積のバランスの違いから起こるようです。直径が半分になると、表面積は1/4に、体積は1/8になるからだと考えられます。

なまじ見えるようになるから見にくく感じる。

液が満たされ、はっきり見える部分が大きくなってくると、よりよく見えるようになるはずなのですが、そうでもないというところもありました。
眼球内にガスが満たされているときは、右眼はぼーっとしかみえませんので、左眼中心にものを見ていました。私の利き眼は、右ですから、それは不便ではあるのですが、なれればそれなりに見ることができました。ところが、右眼の見える部分が大きくなると、どうしても右眼に見える景色を見ようとしてしまいます。ところが、右眼にはまだ見えない円形部分があり、それが動くものですからとてもじゃまに感じられました。
特に、下の方を見ようとすると見えない円が視野の中心近くに来ますから見にくくてたまりません。下の方を見ながら作業するときは、無理に左眼の方に意識を向けたり、右眼をつむったりして見るようにしました。

見えない円はじゃまだけど……。

右眼の中を動く円。その内部はガスが入っているためよく見えません。うっすらと向こう側を見ることもできますが、液とガスとの屈折率の違いから見える景色がずれているので、余計に見にくく感じます。これが、ちょろちょろと眼球に合わせて動き回ります。
この円ですが、ある程度小さくなると、勘違いのもとになります。円周部分の黒い線が眼鏡のフレームに見えてしまうのです。日に4回目薬をさすことになっています。当たり前の話ですが、そのときにはメガネをはずします。3種類の目薬を5分の間隔を開けてさします。その間は見えないと不便なのでメガネをかけます。目薬をさすたびにメガネを取って点眼し眼鏡をかける。そして、また5分経つとメガネをはずして点眼するの繰り返しになるのです。が、視野にガスの円が入ってくると、メガネをとっているのにもかかわらず、円をメガネのフレームと間違えて外そうとしてしまうのです。手が空振りをし苦笑いすることがありました。なかなかのおじゃま虫です。
早いところ消えてしまえばいいのに!
そう思わずにはいられませんでした。

しかし、しかし、考えてみれば、この円は、網膜に空いた穴を塞ぐために使われたガスの残りです。つまり私の眼を治すのにがんばってくれた気体の名残なのです。そう考えると、日に日に小さくなっていく円も愛おしく思えてきました。特に、上記にあるような BB-8 みたいな形をしていると、生き物に対しているように感じられました。
ガスよ、私のためにがんばってくれたんだよな。愛(う)い奴よのぉ。ありがとう。
と思ったりもするのです。

約2週間ほどで視野は回復した。

手術をして約2週間。1月29日(土)の朝、目覚めてみると、ガスの円は、だいぶ小さくなっていました。イメージとしてはビー玉みたいな感じです。BB-8についても書きましたが、表面積と体積のバランスより、小さくなれば小さくなるほど縮じむのが速くなるはずです。うまくすると、今日中には液が満タンになり円は消えるかな? と思えました。
この日は、午前中、息子とでかけたのですが、2人で食事をしたりしているうちに、眼球が液で満たされてガスの作る円は消えてしまっていました。いつ消えたか? ってのは気づきませんでした。
これで、眼球内でちょろちょろと動くものがなくなり、視野は回復したことになります。ただそれでも、まだ小さな黒い粒はふわふわいくつも浮いていますし、視野中央部には少し見えない部分が残っています。この部分は網膜の再生を待つしかないので、焦っても仕方がありません。人によってどこまで穴が塞がるかは違ってくるというので、後は運を天に任せることにします。

明日2月1日(火)にまた診察を受けに行くことになっています。そのあたりのことは、また報告するつもりです。

ご注意……上記の話に出てくる医療関係のことは、私の主観で記述しているものであって、もしかしたら聞き間違いとか勘違いとかもあるのかもしれません。そういうつもりで受け取ってくださいね。餅は餅屋、医療のことは、お医者さんにちゃんと聞いてください。

……たぶん続く。

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