楽器を習うことが、人生を豊かにする 二胡の演奏をおこなって思ったこと

仲間と演奏できることの幸せ

 先日、二胡倶楽部の仲間と清水テルサのイベントで演奏をしてきました。
 3曲のみの短い演奏ではありましたが、それなりに練習し、それなりに緊張して演奏しました。
 今回は、CDの伴奏に合わせて演奏することになっておりましたが、3曲中2曲がラストでテンポを落とすようになっています。
 これに合わせるのが結構難しいのです。仲間内だけで演奏しているならば、ある程度慣れていくことでテンポが落ちても互いに合わせることができます。ところが、相手が機械だけに、融通がききません。向こうが合わせてくれないゆえに、こちらが合わせるしか無いのです。その練習がなかなか大変でした。

 人前での演奏をするときには、当然、事前練習をします。その時に考えるのは、ミスらないこと、音の高さを正しくすること(これが、二胡だと大変なんです。)、変な音を立てないこと、……などなどです。つまりは、失敗して仲間に迷惑をかけないようにするということなのです。
 ただ、今回、演奏会場のリハーサル室で少し違うことを考えました。
 手こずっている伴奏CDに合わせる練習をしている時に、次のように考えたのです。

 うーん、なかなかテンポを合わせきれないなぁ。CDに合わせるの思った以上に難しかった。ピッチもちょっと狂っているなぁ。隣に人に迷惑をかけないようにしなくっちゃ。
 ……でも待てよ。この演奏で失敗したって、別に私たちはプロじゃないんだから、そんなに問題が起こるわけじゃないじゃん。それよりも、同じ二胡を愛するようになって、上手とはいえないけれども、一緒に楽しく演奏できる仲間がいるって幸せなことじゃないか? ちょっと緊張しながら、精一杯がんばって人に演奏を聞いてもらえる幸せって、なかなか味わえないものだよなぁ。そうだ! うまく演奏しようなんてことばかり考えず、この時間を楽しむことにしよう!!!

 そう考えると、ずいぶん楽になりました。また、楽しい気分にもなりました。
 私たちはプロを目指しているんじゃないのだから、楽器を通して幸せな時間を過ごすことができれば、最高なのです。
 そのリハーサルの演奏、大きな失敗することもなく楽しむことができました。お客さんは、少なかったのですが、そんなことは全く問題がありませんでした。みんなが楽しかったねぇっと言っていました。

 この時、少し前に亡くなった二胡仲間のご婦人が言っていたことを思いまだしました。

「二胡を始めたのはね、人生を豊かにしようって思ったからなの。」

 その言葉の意味がよーくわかった一日でした。

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