ソコタノ日記:黄斑円孔の手術を受けて その3 手術後1週間

退職後の新しい生活をそこそこ楽しむ「ソコタノ日記」です。これは、その特別編。黄斑円孔の手術を受けた話です。

この記事の初出は、 note.com です。

ソコタノ日記:黄斑円孔の手術を受けて その3 手術後1週間|phantasien
退職後の新しい生活をそこそこ楽しむ「ソコタノ日記」です。これは、その特別編。黄斑円孔の手術を受けた話です。 2021年暮れに、右眼が黄斑円孔という病気になりました。網膜に穴が空いて視野の中央が見えなくなり、その周りも歪んで見えるようになりま...

2021年暮れに、右眼が黄斑円孔という病気になりました。網膜に穴が空いて視野の中央が見えなくなり、その周りも歪んで見えるようになりました。手術を受けないと悪化するとのこと。そのため1月17日に手術を受けました。
せっかくなので、同じ病気になった人に参考になればと思って、自分の記録や記憶をもとにその様子を記していきます。
なお、私には医療の知識もありませんので、勘違いや記憶違いもあるかもしれません。そのあたりは、ご了承の上、読んでいただければと思います。

手術当日、翌日については、以下の2つの記事に記しました。

術後2日目の診察を受けて

手術を受けて、3日は連続して診察を受けることになっていました。故に、この日も、早めに眼科医に行って診察を受けました。
基本的には、先に瞳孔を広げる目薬をさしてもらいその効果が出る20分後くらいに眼の撮影をしてもらいます。そして、その写真をもとに診察してもらいます。そのときに、眼に強い光を当てて眼科医が目の様子を確認します。その強い光が縦長の線になっていて、その中央が切れていないと穴はふさがってきていることになるということでした。
眼科医に次のようなことを言われました。

  • 眼球の中に液が溜まってきている。経過は順調。
  • 炎症も特にないようだ。
  • レンズの内側が乾きがちのようだから、下を見るようにすること。乾くと白内障になりやすくなる。
  • 今日から風呂に入って洗髪していいし、顔を洗うのも問題ない。
  • (「目に水が入っても大丈夫か?」の質問に)大丈夫。

自分としては、洗髪、洗顔ができるということがうれしく感じました。ただ黄斑円孔の手術をしたばかりなのに、また白内障になるなんてまっぴら御免と感じましたから、ちゃんと下を見ることを意識しなければ! と思いました。

自覚症状としては、まだ右眼はよく見えません。前の記事に書いたように、水中でものを見ているような感じで全体がぼけていました。ただ上の方に黒っぽい線が見えそのすぐ上の細い部分は普通に近い状態に見えているような感じでした。細すぎて、それが事実なのか気のせいなのかわからない程度です。それは、液が溜まってきてレンズと網膜の間に満たされているので、元の状態のようにはっきりと見えるようになっている部分だということがあとでわかります。液が下から溜まっているのに上の方から見えるのは、眼球内で網膜に結ばれる像が上下逆になっているからだと考えられます。(理科の授業でならったのではないでしょうか?)下から液がたまると上の部分がその液を通過して見えるという感じでしょう。
また、ぼやっとしているとはいえ、なんとなく線の下である中心部も見えます。手術前は、中心部が見えず(欠落している感じ)、その周りも歪んで見えていました。でも、手術後はそれがいくらか改善されていると考えられました。穴がふさがった証拠! と想像されました。

パソコンの利用は立って行うことにした。

レンズの内側が乾くと白内障になりやすい。ちょっと乾きがちなようだといわれたものですから、ちゃんとしなければと考えました。
右眼がよく見えないとはいえ、左目は使えます。独学での学びや日々の記録などはパソコンを使って行っていますから、左目をたよりにいろいろと作業をしました。ただ、できるだけ下をむかなければなりません……ということで考えたのが立って作業をするということ。
買ったばかりの iMac は、とりあえずお休みさせて、ノートパソコンの液晶画面を思いっきり寝かせ、立って作業をすることにしました。
これまでのメインマシン Lenovo P14s は、液晶画面がそこそこ寝てくれます。このため、無理な姿勢をしなくても立って作業をすることができました。
また、iPad の画面を真上になるようにして机に置き、プライムビデオで映画なども、立って見るようにしました。立ってばかりいるのは疲れますが、まあ、普段やっているポタリングや散歩をお休みしていたので、運動不足解消の一助にはなったかもしれません。

遠近感がないから小さなミスをする

少し見えるようになったとはいえ、右眼は使い物になりません。実際、ぼやけているだけではなく、見える角度が左目とずれています。説明がむずかしいのですが、右眼をつぶって左目で見たものの位置関係と、左目をつぶって右眼で見たものの位置関係が大きくずれているのです。健常ならば、わずかな違いから立体感を得ることができますが、そんな程度ではありません。故に、左目で見える像をたよりに行動することになります。
このため遠近感がありません。ちょっとしたことでミスをしてしまいます。特に不便だったのは、食器洗いのときです。普段なら洗っている食器とシンクの中においてある食器をぶつけたりすることなどないのですが、遠近感がないために結構ぶつけたりしました。幸いひとつもわったりすることはありませんでしたが、不便を感じました。また、鉄瓶から熱湯を保温水筒に移すときも、狙いを外してこぼしたりもしました。遠近感がないというのは、思っていたよりもずっと不便なものでした。
さらに、遠近感がないということは、その他のミスにも繋がります。自分ではそんなに意識しているわけじゃなかったのですが、注意力散漫になっているようでした。普段行っている作業の順番を間違ったり、忘れ物をしたりしました。それは、遠近感がないこととは直接関係ありません。それでも、普段より多くミスをするのです。遠近感のなさが、脳に負担をかけて集中力を低下させていたのかもしれません。私はやっていませんが、この手術を受けた方は、ちゃんと見えるようになるまで運転しないほうがいいと思えます。

見えないから集中できることもあった

2月に中国楽器二胡の発表会に出ることになっています。そのため、毎日練習をしていました。手術を受けてからもそれは続けていましたが、術後2日目の練習でふと気づきました。普段よりもいい感じで弾けているのです。音程のやリズムの正確さが上がっている感じでした。また、弦と弓の擦れ具合も普段よりもつかみやすい気がしました。これは、思い込みかもしれませんが、眼が不便な分、他の感覚が鋭くなっているためか? と思えました。
二胡の練習では、見るのは楽譜だけです。楽器は見ませんので、立体感がなくてもなんの問題もありません。故に、他の感覚に神経が向けられたのかもしれません。そういうこともあるもんなんだなぁと思いました。

術後3日の診察を受けて

術後3日目の診察を受けました。1日目2日目とほぼ同じ形で診察を受けました。眼科医には次のように言われました。

  • 眼の中の液は確実に増えている。
  • レンズの内側の乾きも大丈夫のようだ。
  • 液が増えてきているので、強いて下を見るようにしなくても大丈夫。

自覚症状としても、液面が上がったために、液とガスとの境界線が眼の中にはっきりと見えるようになりました。そして、その境界線の上の部分が普通に近い状態で見えるようになった感じでした。

このあと、1週間ほど開けて診察を受けることになりますが、その間に、この境界線は次第に上から下の方に下がっていきました。そして、明らかにその上の部分がはっきりと見えるのがわかりました。

境界線がだんだん下がってきて

眼球内の液が満たされるにつれて、液とガスとの境界線が下がっていきました。当然のことながら、頭の動きに合わせてこの境界線はゆれます。眼球内の液ということで、どろっとしたものなのか? と思っておりましたが、意外と水に近くさらさらしているようです。そのため、境界線は、よくゆれました。
そして、日が経ち境界線が下がるにつれて、はっきり見える部分が広がっていきました。ただ、視野の中心まで境界線がさがらないと、不便を感じました。上の方ははっきりみえるが、見たいものを見ようと目を向けると、境界線の下のぼやけているところに見たいものが入ってしまい見えなくなるのです。見たいものを見ようとすると見えないという状態は、隔靴掻痒、ちょいとイラッとします。

いい気になると痛い目にあう

だんだん視野が広がってくるとうれしくなって、がんばっちゃうことがあります。境界線がさがり、視野の中央部がはっきり見えるか見えないかくらいになったとき、手術のことについての記事をオンラインで書きました。また、その翌日には仲間に入れてもらっているオンライン句会の選評を20句分ほど書きました。新しい iMac が大活躍です。(視線を下げずにパソコンで文書を打てるってのは気分がいいものでした。)
でも、それが失敗でした。ちょっと見えるようになったからと言って長時間パソコンに張り付いて作業を行ったので、まだまだ治っていない右眼に負担をかけたようです。
夜中に眼の奥が強く痛みました。黄斑円孔になる前にも、眼を使いすぎて眼精疲労による頭痛に苦しめられることがたまにあったのですが、それに近い痛みでした。
次の日(術後9日目だったかな?)は診察を受けることになっていましたので、検査の後、右眼の奥が痛んだという話を眼科医にしたところ、それは頭痛でしょうとあっさりいわれました。眼の中の写真を撮ったり、直接眼科医が眼を検査した後の話ですから、眼球そのものには問題がなかったようです。
実際、それ以降、パソコンに張り付いての作業を減らすようにしましたので、頭痛を感じることはなくなりました。

少し見えるようになったからといって、いい気になると痛い目にあうということのようです。

はっきり見える部分にゴミのようなものが

液が満たされ境界線が下がるにつれて見える部分が上の方から広がっていきました。ただ、はっきり見える部分にも問題がないわけではありません。
いくつもの黒い小さな点が見えるのです。液の中にゴミみたいなものが浮いているような感じです。目を動かすとそれらも一斉にさっと動きます。飛蚊症に似ているような感じです。まあ気にしなければそう困ることもないのですが、その黒い小さな点が実際の周りのものと重なって見えるとき、虫がそこにいるように思えてしまいます。
普通の状態の目でも、視野の端の方で虫が動くとそれに気づくことがあるかと思います。それに近いことが眼の中で起こります。虫がいると思って視線を向けると何もいないということが何度もありました。いずれはそれも減ってくるんじゃないか? と期待していますが、どうなのでしょうか?

穴はふさがったがすべてが見えるわけじゃない。

境界線が視野の中心よりも下がることによって、見たいものが見えるようになりました。そこで、気づいたのは、まだ見えない部分があるということ。穴そのものはふさがっても、網膜がその部分まで再生されないと見えるようにはならないようです。眼科医の話では、人によってふさがらないこともあるとのことでした。まだ手術したばかりなのでどこまで見えるようになるかはわからないということでした。ただ、手術前よりはみえるようになっているのが事実です。また、見えないものの周りが歪んで見えるというのも、だいぶよくなりました。このあたりについては、時間が経過するのを待つしかわかりません。

ご注意……上記の話に出てくる医療関係のことは、私の主観で記述しているものであって、もしかしたら聞き間違いとか勘違いとかもあるのかもしれません。そういうつもりで受け取ってくださいね。餅は餅屋、医療のことは、お医者さんにちゃんと聞いてください。

……たぶん続く。

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