朝のあいさつ活動 ハイタッチすることで子どものことが見えてくる。

他とはちょいと違う勤務校のあいさつ運動

 私の勤務している小学校では、毎朝、あいさつ運動が行われています。
 あいさつ運動そのものは、多くの学校で行われています。児童会の代表や生活委員会の委員といった子たちが門の前に立ち、登校してくる子に元気よく「おはようございます。」と声かけをする活動です。

 ただし、私の勤務校のあいさつ運動は、他の学校とはちょいと違います。
 みんなでハイタッチをするのです。3年前の6年生がはじめたことです。冬の間ポケットに手を入れてくる子が多く、その子たちをなんとかしようと考えて出されたアイディアでした。ポケットに手を入れたままではハイタッチはできません。必然的にポケットから手を出すことになるというわけです。正門前でならぶあいさつ当番の子たちに、登校してくる子たちはみなハイタッチをしながら「おはようございます。」と元気よくあいさつするのです。

 このハイタッチは、朝のあいさつ運動をより明るいものに変えました。ポケットに手を入れていた子が出すようになったということだけではなく、あいさつの声が元気になり、朝の学校の雰囲気を明るくしたのです。とても良い感じになりました。
 そして、このハイタッチによるあいさつ運動は、次の年度も行われることになり、それがずっと続いて今年度までつながっています。ハイタッチによるあいさつは学校の文化になったのです。

 勿論、ほんの一部ハイタッチをしない子もいますが、それは、それでよいと思います。みんながみんな同じように出来るわけじゃありませんから。

ハイタッチすることで見えてくることがある

 私は、あいさつ運動を行っている委員会の担当なので、毎朝このあいさつ運動に参加しています。朝の仕事の時間を取られるのはちょいともったいないところもあるのですが、それ以上に価値のある活動だと考えて委員会の子どもと一緒にハイタッチしています。

 そこで見えてくることがあります。毎朝ハイタッチをすると子どものことがほんのちょっと見えてくるのです。

  • 月曜日よりも金曜日のほうが明るい笑顔でハイタッチをする子が多い。
  • 早い時間帯に来る子のほうが遅い時間帯に来る子よりも明るく元気な顔をして来る。
  • 表情の暗い子でも、それなりに努力してあいさつをしようとうする。

などです。
 そして、一人ひとりについても気がつくことがあります。

 そのひとつが絆創膏です。
 指先に絆創膏を巻いてくる子がいます。「どうしたの?」とたずねると「昨日、包丁でちょっと切っちゃった。」どうやらお手伝いをしてミスしたようです。
 また、指の付け根に絆創膏をして来る子もいます。理由はすぐにわかります。鉄棒の練習で豆を作ったのです。あっこの子も絆創膏を付けている。鉄棒頑張っているんだぁなんて思ってみます。すると、翌日は絆創膏が増えていたりします。つまり、さらに鉄棒練習を重ねているということです。
「鉄棒をがんばっているの?」
とたずねると
「うん。」
という返事が帰ってきます

 学校では、教師も、たくさんの発見をします。それが、コミュニケーションを広げることにもつながります。
 ハイタッチのあいさつから、私たち教師も子どもを見る眼に幅をもたせてもらっているなぁと感じます。


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