手帳の優位性:その1 起動にかかる心的負担の少なさ

以下は、最初、noteに書いたものです。

手帳の優位性:その1 起動にかかる心的負担の少なさ|phantasien
スマホやタブレットを使うときの違和感 スケジュールは、iPhone11のinformantを使ってGoogleカレンダーで管理している。 やることの大半は、同じくiPhone11のたすくまで実行するようにしている。 必要な記録は、Evern...

スマホやタブレットを使うときの違和感

スケジュールは、iPhone11のinformantを使ってGoogleカレンダーで管理している。
やることの大半は、同じくiPhone11のたすくまで実行するようにしている。
必要な記録は、Evernote や Scrapbox Dynalist に納めてある。それを、iPhone や iPad8 、 iPad_mini5 ノートパソコンX220 などで入力したり、参照したりしている。

とても便利だと思う。おそらく上記の電子部品や、アプリ、サービスがないととても困ることになると思う。

それでも、それらを使うときにほんの僅か、イラッとする。何かしっくりとしない違和感が感じられる。

手帳を使うときにはどこかほっとする

手帳を使うときには、そういうった違和感を感じることがない。おそらく手帳だけで、生活の全てを管理するってことは不可能なのだと思う。上記の電子機器と併用するのが今の自分にとってはベストだと考える。

電子機器を使うときと、手帳を使うときの感覚の違いは何だ?

電子機器と手帳を使うときの、イラッとする感覚、あるいはしっくるとくる感覚の違いは何なのだろうと考える。最近気づいたことのひとつは、起動時間の違いだ。やりたいことがあるとき、手帳と電子機器とでは、起動時間が違う。この違いが使うときの心地よさに影響しているように思えてきた。

手帳はすぐに起動する。

自分は、うすいシステム手帳を使っている。それらには、最小限のリフィルしか入れていない。直近1週間分の記録、当日の記録、当日の時間割、白紙(3枚)、次の日の授業の時間割、担任する子どもの連絡先、子どもの名簿(体育などの記録を取るためのもの)、今後4週間分の授業の予定。それで、ほぼ一杯になっている。順番は頭に入っている。そして、当日の記録のページには、小さな付箋が貼り付けてある。ペンホルダーにLamy2000の4色ペン(リフィルは、ジェットストリームに換装)をさしている。
何か、メモをしたいとき、あるいは、すでに書いたメモを閲覧したいとき、Lamy2000を引き抜き、付箋をもって当日のページを開く。おそらく1秒程度ですぐに書いたり閲覧したりできる。書きたいときに(あるいは、見たいときに)、すぐに目的の行動に移れるってのが、心地よさにつながるのだろう。

電子機器の起動時間は遅い!

iPhone にしても、 iPad にしても、この起動にかかる時間が遅い。起動時間といっても、画面をタップする、ロック解除ボタンを押す、そういう動作から立ち上がるまでの時間のことをいっているわけではない。

書こう→書き始められる

のように、やりたいことを思いつき、実際にそれができる状態に行くまでの時間のことをいっている。

何か、新しい案件が発生する。すぐやれることはないので、記録しなければ! と考える。その日にやるべきだと判断して、たすくまにリマインダー付きで登録しようと考える。iPhone の出番だ。書き始めまでに次のような流れになる。

① ポケットから iPhone を出す。(これは、手帳も同じ)
② 画面をタップ。ロック解除。マスクをしていなければ、ロック画面を上にスワイプしてロックを解除する。マスクをしていたら、顔認識してくれないのでパスワードを入力する。
③ 前のときにたすくまをつかっていれば、そのままたすくまでの作業に入る。
④ 別アプリが起動していたら、とにかくたすくまを呼び出す。たすくまをよびだすための手順はいくつか用意されている。

 a. 下から上にスワイプ→ホーム画面→たすくまのアイコンをタップ
 b. 背面を3つタップ(背面3タップで、たすくまの起動に設定してある。)
 c. 検索画面を呼び出し上から下スワイプ→右へスワイプし検索画面
  Launcher ウィジェットからたすくまを起動。

⑤ たすくまが起動したら、「+」をタップし、入力画面に入る。

洗い出して書いてみると、けっこういろいろなことをやらなければならないと感じた。実際には、3から4秒程度でできることだ。手帳に比べてそんなに時間が長くかかるわけではない。たすくまを使えばなぐり書きによって文字が読めないというようなことは避けられるし、リマインドだって設定できる。手帳に対していくつものアドバンテージがある。
でも、イラッとしている自分がいる。

起動までの時間にいくつもの心的負担がある。

わずか数秒のちがいでイラッとするってのは、変だと思う。で、ここまで書いて気づいた。電子機器を使うとき、やりたいことを始めるまでに何度か次のようなことをしているのだと。

状況認識→判断→対応

そのときにやりたいのは、やるべきことの記録だ。それをすぐに書きたいのだ。しかし、iPhoneを 起動してから、いくつも上記のことをさせられている。

iPhoneになにかする→画面を見る→何が表示されているか確認→何をすればいいか判断する→タップやスワイプをする→画面の変化を確認→……

やりたいことは、書くことだけなのに、そこまで行くのに、じつはいろいろとiPhoneにやらされている。これが、イラッとする原因なのだ。起動までにかかる時間のちがいというよりも、起動までにかかる心的負担の違いが手帳と電子機器との間にはあるのだ。

電子メモパッドは、イラッとしない。

以前、DIME のおまけの電子メモパッドについて書いた。

DIMEの付録の電子メモパッドが意外と便利だった。|phantasien
DIME の2021年1月号に電子メモパッドがついていた。 DIME って比較的好きな雑誌だった。モノの紹介ってのは、技術の進歩とか、職人さんの技術とか、技術屋さんのアイディアとかが集積されているので、存在だけで魅力を感じる。DIMEだと、...

ここで、「すぐ書けることの良さ」を実感したと書いた。そりゃそうだ。電子メモパッドの場合、起動ボタンさえないのだ。ペンを持つ→書き始める……この単純さが実に素晴らしい。何の心的負担もない。

iPhoneがだめってことじゃない。

だからといって、iPhone がだめっていいたいわけじゃない。iPhoneで何かをやるときに、すぐにやりたいことができないのは、たくさんのことを行うことができるようになっているためだ。たくさんのことをやるためには、いくつかのメニューを経なければならない。電子メモパッドがすぐに使える理由は、単機能だからだ。万能選手と専門家とどちらがいいかを比較するのはナンセンスだ。

それぞれの機器の特徴を理解して併用するってのが大切

なんて、ごく当たり前のこと最後に書いても仕方がないのだけど、身近には、どうも電子機器が紙媒体の上位にあるという見方をする人が多いように感じている。

学校現場で、子ども一人に一台のパソコンが配られたとき、子どもも「やりたいことにたどり着くまでのイライラ感」を感じるようになるのではないか? ってことが予想される。そのことは、小さなことのようだけれど、じつは大事な視点になるのではないか? と退職を前にして思う。

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