以下は、最初にNOTEに書いたものです。
インターネットクイズを行った。
昨日、担任している小学校3年生の子どもたちにパソコンの学習を指導しました。前半は、ローマ字によるキーボード入力の練習。これまでも行ってましたが、なかなか速くなりません。本来は、ホームポジションを意識し、タッチタイプで打てるようにさせたいところですが、ローマ字も覚えるのが精一杯の子もいるので、いわゆる雨だれ打ちでも良いから、およそどのキーがーどのあたりにあるかがわかれば良しとしています。
その後に、インターネットクイズという学習をやりました。大雑把に説明すれば、私が、クイズを何問か出し、子どもたちが、ネットで検索してわかった問題から答えを出して、個人的に報告するというものです。
いつもなら予め用意しておいたプリントに問題が10問ほど書かれていて、それを見ながら子どもが検索するというようにしていましたが、今回は、事前の用意をしていなかったので次のようにしました。
問題は、テーマを一つにして、あまり多くのページを見なくても答えられるようにする。今回は、静岡市美術館で開かれている「古代エジプト展」を選びました。(3月になったら学年で見学に行くことが計画されています。)
問題は、教師のパソコンにつながっている大型画面に表示する。今回は、残り時間を考えて5問。
この学習で再認識したのは、子どもたちの画面からの読み取りの力が弱いことでした。
子どもたちは画面の文章を正しく読むのが苦手。
同じ文章でも、紙で読むのと画面から読むのでは違うと以前から感じておりました。自分自身、紙から読むほうが、文意をよく理解できると感じてもいました。紙に比べて画面を使って読むとき、流し読みをしている感じがしたからです。
上記の学習で、子どもたちも同様に画面(液晶ディスプレイ)になると、文意を正しく読み取ることができにくくなっていると実感しました。
問題を正しく読めない。
大型ディスプレイに表示された問題の一つに次のようなものがありました。
次の「英国王室が愛した花々」展は、いつから開かれますか?
「古代エジプト展」の後に開かれる展覧会がいつはじまるか? を問うた問題です。静岡市美術館のメニューからたどると「これからの展覧会」として以下のページにたどりつくことができます。
展覧会 一覧 | 静岡市美術館静岡市の芸術文化の拠点施設として、特定の美術のジャンルにとらわれない、幅広い企画展やイベントを年間を通じて開催しています。shizubi.jp
上記の展覧会は、今年の4月15日からはじまると明示されています。これに対して答えに来た子の中には次のようなことをいった子がいました。
・キューガーデン
・18世紀
・3月??日(日を失念しました。ただし、その日は、まだ古代エジプト展が開かれている日です。)
問題の意味を正しく理解していないのです。
考えてみれば、子どもたちの多くが問題を表示している大型ディスプレイの近くに来て問題を読もうとしました。目の悪い子や席が遠い子だけではありません。今思えば、問題を近くまで来て読もうとするのは、文意を読み取れないために近くに来たのかもしれません。
ページが表示されているのに答えを見つけられない。
「インターネットクイズ」の最初の問題は、次のようなものです。
「古代エジプト展」のものはどこのはくぶつ館から来ましたか?
これは、静岡市美術館のトップページの最上段に表示される大型のバナーからワンクリックで行ける以下のページで答えが見つけられます。
静岡市美術館静岡市の芸術文化の拠点施設として、特定の美術のジャンルにとらわれない、幅広い企画展やイベントを年間を通じて開催しています。shizubi.jp
画像の中に「ライデン国立古代博物館所蔵」の文字が載せられています。また、そのすぐ下にも「古代エジプト展」の文字のすぐ上にテキストで表示されています。サービス問題のつもりで出したものでした。しかし、この問題についても聴いたことのない博物館の名前を挙げたり、静岡市美術館と言ったりする子が何人もいました。
また、次のような問題もありました。
静岡市美術館の電話番号は?
静岡市美術館のトップページおよびおそらくは全てのページの一番下、フッターのところに静岡市美術館の住所や電話番号が記されています。この問題に対しても、一体どこから見つけたのか? と思えるような答えを書いてくる子や言いに来る子がいました。また、最後まで見つけられない子もいたのです。
とりあえず、トップページや「古代エジプト展」のページを下まで見ていけば、電話番号にたどりつけたはずなのですが……。
ディスプレイで読むのは、紙で読むのとは違う。
上記の例だけで決めつけてしまうのは危険だと考えますがそれでも、紙で読むのと画面で読むのは違う! と感じないではいられません。
普段教科書で授業しているときに、そこまで「読めない」と感じることがないからです。子どもたちの読解力がないというのではなく、画面で読むと、読み流したり読み飛ばしたり、勝手に思い込み読みをしたりしてしまうように感じられます。
大丈夫か? ギガスクール構想?
ギガスクール構想により、今年度、あるいは次年度より、中学年以上の子どもに、一人一台のパソコンが支給されます。勤務校では、Chromebookが支給されるようです。そのことにあまり大きな期待をするのは危険な感じがします。
一人一台パソコンが与えられるからと言って、子どもの学習能力が大きく伸びると考えるのは正しくないでしょう。紙で読むのとディスプレイで読むのでは読解力に差が出る……と考えると、検索はしてみるが、正しく読み取れないということが頻発すると考えられます。
所詮パソコンは道具の一つ、無いよりはマシ!
くらいに考えて、あまり大きな期待をしないほうがいいように思えます。
私は、iPad も iPad_mini も、Kindleのペーパーホワイトも、Fireタブレットも持っていますが、最近は、電子書籍よりも紙の本を読むことが多くなりました。書籍を読む場合、そちらの方が、得るものが多いように感じるからです。
また、仕事でも特に大事だと思うPDFは、プリンタで打ち出して、紙で読むようにしています。
さらに、自分が書いた文書も一度打ち出して遂行し直すようにしています。
紙で読むのと画面で読むのでは違う!
と思うからです。
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