中学生が、フェンスの向こうから手を振ってあいさつしてくれた。

卒業した中学生が、フェンスの向こうから声をかけてくれた。

 静岡市の学校の多くは、始業前に朝のトレーニングをしています。グランドを走ったり、鉄棒をしたり、ボール投げの練習をしたりします。
 現在、子ども達は、メインとなる運動の前に、ウォームアップとして、グランドを2周走っています。子ども達に走らせているのですからということもあり、私も、50歳代後半になりましたが、グランドを2周走るようにしています。
 2017/09/29(金)の朝も、走っていました。すると、運動場脇のフェンスの向こうから
「青木せんせーい。」
という声が聞こえてきました。
 誰かと思って、そちらの方に目をやると、以前担任し卒業させた女子中学生が手を振っていました。通学途中で、フェンスの向こうから見て気付いたようです。
「おはようございまーす」
という声が続きました。

うれしくなったのは、声をかけられたことだけではない。

 私は、とてもうれしくなりました。
 卒業させて2年以上経った今も、そのように声をかけてもらえるなんてなかなか経験できるものではありません。教師冥利に尽きるといったところです。
 グランドを走る足取りも自然と軽くなりました。
 しかし、ふと気付いたのです。私がうれしくなったのは、ただ声をかけられたということだけではないことに。
 その子が、小学校の頃と変わらずに、明るく楽しくすなおに生きているのだということを知ることによろこびを感じたのです。

 中学校に上がると、人が変わるということがあります。勿論、根の部分は変わらないのだと思うのですが、思春期ですからいろいろとあるでしょう。扱うのがめんどくさい人になる時代なのだと思います。そして、ときにドロップアウトしてしまう子も出ます。
 でも、そんな時期を、すなおにまっすぐに育つ子もかなり多いのだと私は感じています。
 卒業後、しばしば遊びに来る子達と話していても、憎まれ口を叩きながらも、小学生の頃のかわいらしさをたくさん感じさせてくれます。

 子どもをまっすぐに育てるのは難しい時代のように思えます。でも、それは、ある種メディアが作り上げた虚像でもあるように、私には思えます。
 明るく楽しくすなおに生きている子たちがたくさんいるのだと信じています。

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