小学校3年以上の担任の先生方へ。算数の教科書に九九表をつけさせましょう。

3年生になっても、九九を完璧に覚えていない子がいる

退職する直前の2年間、連続して小学校3年生を担任しました。4月当初、子どもたちのかけ算九九の力を九九100問テストを行って調べてみました。どちらの年度にも九九のおぼつかない子が何人もいました。

1問3秒以内に答えられるようにするのが合格ラインです。つまり100問を5分以内に全問正解したいところなのです。しかしながら、そういった子はクラスの半分もいません。それどころか、50点未満という子も数人いたのです。

残念ながら小学校3年生の算数の教科書では、かけ算九九ができるという前提で、かけ算の学習が始まります。九九をしっかりと覚えていない子にとっては、それは、難行苦行というものになります。一桁×一桁がわからないのに、二桁×一桁の計算ができるようになるわけありません。

九九を覚えられないのには色々と理由があるでしょう。練習をあまりやってこなかった子、もともと計算が苦手な子、家庭環境の関係で九九どころではなかった子、……。

でも、そういった子も、九九ができる前提で3年生のかけ算の学習を行わなければなりません。

算数の教科書の後ろに九九表をつけさせよう

神戸の石田一三先生が書かれていたかと記憶していますが、九九の苦手な子を救うために、算数の教科書の裏表紙の内側のところに九九表をつけさせるのがよいようです。
九九表の全体を糊付けするのではなく、裏表紙の内側、右はじ2センチ位のところに九九表がはみ出すように貼り付けるのです。
そして、普段は、内側に折り込んでじゃまにならないようにし、九九が思い出せないとき、あるいは時間が足りないときに、広げて見ながら学習できるようにするのです。

算数は、積み重ねです。2年生の時点で九九が完成していなかったら、3年生以降の学習の積み重ねが難しくなります。とはいえ、前年度の学習事項が身についていないからといって当該学年の学習をおろそかにしてしまっては、ずっと算数が苦手になってしまいます。九九はまだできないけれど、とりあえず九九表を見れば3年生のかけ算の学習、わり算の学習に参加することはできます。九九は、並行して身につけていくようにすればいいのです。覚えていなければ見りゃいいということなのです。

2年間連続して小学校3年生を担任したと書きましたが、九九のできなかった子たちも、この九九表を活用することで、ちゃんと3年生のかけ算の学習事項を身につけることができました。

以下に、自作の九九表早見表を添付しました。ご自由にダウンロードして頂いて結構です。A4用紙1枚に2枚印刷するようになっています。

九九早見表のちょっとした工夫

普通の九九早見表とほぼ同じなのですが、少しだけ工夫をしています。それぞれのマスの中に、「○×○」のかけ算が書いてあります。これは、表の中の行と列をたどらなくてもすぐにその場所をさがすことができるようにしてあるのです。
また、7×6の答えを求めるときに「しちろく しじゅうに」と唱えることができます。それにより、九九を覚える助けになるかもしれません。

なお、かけ算九九の練習のために、九九100問テストのページも下にリンクしておきます。

2022/04/12追記

計算練習プリントのまとめのページを作りました。

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