マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展 を観てきました。

2015/10/11(日)に、マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展 を東京都美術館に観に行ってきました。

この美術展については、昨年より楽しみにしていました。理由は、「印象派」の名前の由来となった作品「印象、日の出」が見られるからということにあります。

展覧会は、12月13日までなので、まだまだ時間的余裕がある、だから、11月か12月の芝居を見に行く時にでも見れば良いと思っていました。ところが、一昨日の10月10日に、ふとしたことから10月18日までの展示ということがわかりました。もうちょっとで終わり! ということがわかったので、急遽東京に出て観に行くことにしました。(例によって往復鈍行ののんびり旅です。)


http://www.tobikan.jp/exhibition/h27_monet.html

「印象、日の出」ですが、その後の印象派の多くの作品に繋がる匂いを感じることができました。筆のタッチや塗り方は、まだ塗り込めるというほどではなく、軽い感じでした。発表当時は酷評されたとのことですが、そんなに悪い作品ではないという気がします。何よりも、印象的なのは、日の出のお日様の色でした。周りの空の色の中に浮かび上がるお日様の色は、子どもの頃「お日様って、なんで浮いているのかなぁ」と思ったことを思い出させました。この作品のお日様の色を見て重力に逆らう本物のお日様と同じ感じがすると思いました。その辺り、色と光の使い方がうまい! ということになるのでしょう。

とにかく、この記念碑的な作品を自分の目で見られたことはやはり幸せでした。

この他では、1903年に描かれた「睡蓮」が美しいと思いました。モネの「睡蓮」は、これまでにいくつも見ました。その中でも、この展覧会の睡蓮はとてもすばらしかったです。晩年になったモネの絵は抽象画のような感じで何がどこにあるのかよくわからなくなります。「睡蓮」をモティーフにした作品の中でも、どれが睡蓮? と思うようなものもあります。それらに比べ、この睡蓮はとてもわかりやすく、そして美しいものでした。構図と配色がとても魅力的でした。

と、書くと晩年のモネの作品は、あまり好みではないか? と思われそうです。でも、晩年のモネの作品は素晴らしかったです。抽象画というほどではないにしろ、モノの輪郭は失われ光のみが表わされているようでした。そして、筆致にはゴッホとは少しちがう情熱や力強さが感じられました。晩年になっても、情熱を失わなかったモネの凄さが伝わってくるようでした。こういった作品をたくさん見ることができたのは、今回の大収穫となりました。

私が友人と入場したのは14時少し前でした。入場には50分かかるという案内がなされていました。でも、50分並ぶだけの勝ちは十分にあると思いました。なお、出てきた時には、待ち時間が30分に減っていました。「印象、日の出」が見られるのはあと数日です。ごらんになることを強くおすすめいたします。

……傑作(らしい)「ヨーロッパ橋、サン=ラザール駅」は、10月20日からの展示らしいです。それって、どうなの? と思います。観たいとは思うのですが、何も2度にわたって見に行かなければならないというのは、なんだなぁって思います。公的な美術館なんだから、儲けに走らなくてもよいのでは? まあ、他の理由がるのかもしれませんが。

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