『思考を鍛えるメモ力』 を読んで、メモを取る量が増えた。
#齋藤孝 さんの #『思考を鍛えるメモ力』 を読みました。
自分は、以前からメモをよく取るようにしてきました。ただ、この本を読むことで、メモをとることの価値を再認識しました。そして、それまでよりも多くのメモをとるようになりました。
この本には、ノウハウとして目新しいことが書かれているわけではありません。三色ペンの利用など、齋藤さんがこれまでに何度も他の著作で書かれたことが載せられています。
ただ、メモを取るという行為にどういう意味があり、どういう効用があるのかということがうまく整理されていると私は思いました。
齋藤さんは、第1章でメモを取る効用として以下のことを上げています。
- 伝達事項をしっかり受け取ることができる
- メモがあれば思い出すきっかけになる
- 『学ぶ』基本はメモ力だった
- 要約力が鍛えられる
- 自分の考えを整理できる
- コミュニケーション力がつく
- 積極的に聞く姿勢を示せる
- 当事者として自分をかかわらせる
- 質問力とコメント力が磨かれるようになる
- メモによってクリエイティビティが刺激される
当たり前といえば、当たり前のようなこともあるのですが、自分がメモを主体的に書くことの価値には、そういうこともあったのか? と再認識させられる部分が大きいと感じました。
特に、 8. 当事者として自分をかかわらせる という点は、たしかにそうだ。そして大事なことだと感じました。実際、机上に置かれた資料を読む時、ただ流し読みすれば、それはそれで頭に入るのですが、そこにメモを書く、赤い線、青い線、緑のメモ書きを添えるようにすると、その資料への当事者意識は大きくなるのです。他の教員の書いた指導案にメモを添えていくと、その授業、自分だったらどうするか? など真剣に考えてしまいます。
たくさんのメモを取るようになったことで、自分が0.1ヴァージョンアップした。
こういう言い方は、変なのかもしれませんが、メモを多く取るようになったことで、自分自身がヴァージョンアップした気になりました。
メモをより多く取ることで、気づきが増えました。さらに、小さなタスクについては、すぐに取り掛かるようになりました。
気づきが多くなった
それまでも多くのことをメモしてきたつもりでした。それでも、上記のことを意識することでより多くのことをメモするようになりました。
私は、その日のうち、あるいは翌日の早朝に、1日のレビューを行います。やったことを中心に出来事をまとめるのです。これまでは、手書きとプリンターの打ち出しでバイブルサイズのシステム手帳のリフィルに3~4ページほどを使っていました。
それが、5~6ページほどに増えました。9ポイントのフォントを使って打ち出していますから、そこそこの文字量になっています。
とにかく、気づいたり思いついたらメモしようと考えて行動するようになったので、気づくことが多くなりました。それまでは、流して見ていたようなことにも、何か学びはないか? という目を向けるようになったので、より多くのことに気づけるようになりました。文字通り 「当事者として自分をかかわらせる」 が増えたのです。
これは、教員の仕事としては、とても大切なことだと再認識しました。子どもをよりよく見るようになったからです。クラスの子がちょっとしたことをする、それをメモすることにより、その子がどんな考え方をし、どんな願いをもってがんばっているのかがほんの少し見えるようになりました。そして、それは、その子をほめることにもつながります。ほめられた子はうれしいのでよりよい動きを見せてくれるようになります。
小さなタスクにその場でとりかかるようになった。
もう一点、自分がヴァージョンアップしたと思えるのは、小さなタスクに気づいたらすぐに取り掛かるようになったことです。
上記のようにメモをたくさん取るようになると、より多くのことに気づきます。そして、その中には、ちょっとした小さなタスクが入ります。その小さなタスクがあることに気づくと、それにすぐに取り掛かるようになったのです。
机上にのったままになっているペン、それをペン立てに入れる、床に落ちている小さなゴミ、それをゴミ箱に入れる。そういったものから、休日の朝食後、すぐに食器洗いに取り掛かるといったもう少し大きなタスクまで、早く取り掛かるようになったのです。
机上にのっているものをほっておくと、それが、どんどん増えていきます。「塵も積もれば山となる」というやつです。山になったものを整理するとなると時間がそのために奪われてしまいます。小さなタスクは、基本的にその場主義でとりかかるべきなのです。そういったことが、日常にはたくさんあります。
メモをたくさん取るように意識すると、小さなタスクの存在に気づき、その場で処理するようになりました。
これは、自分にとってはとっても良いことになりました。
メモを取ることは、本質をつかまえる力を磨くこと
齋藤さんは「おわりに」で次のように書いています。
「メモってなんだっけ?」「何のためにメモするんだっけ?」と聞かれたら、記録のためでも、あとで見るためでもない。「本質をつかまえる力を磨くためです」と言い切ってください。
メモを取ることで、思考力が鍛えられる。それは、物事の本質をつかまえることに繋がるということです。メモをとることで気づきが増え、タスク処理にすぐに取り掛かるようになれたのも、やはり、自分の思考力が鍛えられたからなのかもしれません。
今後も、たくさんメモをとって思考力を鍛えたいと考えております。
書くことは、考えることですから。
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