小学校の給食でのコロナ対策

コロナ対策で学校は変わった

学校が再開されたことは本当に嬉しいことです。学校は、子どもがいてなんぼっというところなのだと実感しています。しかし、以前と同じというわけには行きません。様々なことが変わりました。教員は、新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐために必死になって対応しています。その中でも、給食については、大きな変化がありました。ここでは、学級通信を引用し、給食で担任がどんなことをしているのか紹介します。

学級通信より

 学校では、新型コロナウィルス感染防止のためにさまざまな対策が取られています。このため、コロナ前とコロナ後では、担任の仕事も大きく変わりました。そのひとつが給食指導です。今回は、給食のときに私たちが行っていることを荒く紹介します。(クラスにより、順序などは一部違いがあるかもしれません。主語が明示されていない文はすべて担任の私が行うことです。)

マスクをし、配膳台を並べる。
バケツに水を汲んでくる。(以前は、配膳台係の仕事でした。)
そのときに、石鹸で手洗いをする。
手を消毒する。
水雑巾で配膳台を拭き、消毒液で消毒する。(配膳台係の仕事でした。)
その間に給食当番が石けんで手洗いし、白衣を着用する。
給食当番の手を消毒液で消毒する。(私が忙しいと見ると、子どもたちが自分でやってくれます。)
配膳台の上にストローを用意する。(以前は、牛乳係の仕事でした。)
配膳用のビニル手袋を配膳台の上に用意する。(以前は、使う子だけが自分で用意しました。)
給食当番が揃ったら、体調や白衣・マスク着用などについてのチェックをする。(給食当番のリーダーの仕事でした。)
給食当番と配膳室に向かう。
配膳室で食器や食缶などとって子どもに渡す。
教室に戻ったら配膳する子ども4人にビニル手袋をつけさせ、自分もつける。(以前は、カット・フルーツのように食べ物を直接手で扱う子だけがビニル手袋を使用しました。また、おかずが4人、ごはんが2人、その他にデザートなどを配る子などが配膳に関わりました。今は、最少人数の4人+担任で配膳をします。)
食缶のふたを開ける。(子どもが開けられる場合は任せます。)
おたまやしゃもじなどを配る。
主食がご飯の場合、係の子に片付け用の水を食器にくんで来るように指示を出す。
配膳準備ができたことを確認し、1班、2班、…と順に呼ぶ。その際、密接をさけるたび、床にはられたシールの上に立って並ぶようににさせる。(つい、詰めてしまうので途中での声かけが必要です)(自分の牛乳やストローは自分で取るようになりました。)
配膳の様子を確認し、盛りの量を調節するよう声かけする。
給食をとりに来る子は、必要に応じて「少なめ」を申し出る。(一度食器に盛った料理を食缶に戻すことは、安全のために行いません。以前は、いただきますをした後に減らすことも可としていました。)
最終の7班まで配膳が終わったら、配膳担当の4人の子たちに自分たちの分をとらせる。担任も自分の分を用意する。(以前は、給食当番のペアの子が給食当番の給食を用意しました。また、担任用の給食を用意する担当がいて担任の分をお願いしていました。)
前日の牛乳パック(洗って乾かしたもの)を牛乳を運ぶコンテナの中に移す。
「いただきます」の後、最初のおかわりの希望をとる。(方法は以下の通りです。)

  1. 何がいくつ(何人分)残っているかを説明
  2. 手をあげて一人一品の希望を確認する。(「少なめ」にしてもらった子も参加可です。)
  3. 希望の状況を参考に再度本番の希望をとりながら配る。
  4. 量のものは人数分等しく配る。数の物が足りなければじゃんけんで勝った子がもらう。
  5. ⑤それでも、残った場合は2つめのおかわりとして希望する子に配る。

担任もビニル手袋とマスクをとって大急ぎで食事
早く食べ終わった子の中で、さらにおかわりを希望する子がいたら、ビニル手袋とマスクをつけてその子の食器に盛る。(以前は、おかわりしたい子が、自分で盛るようにしていました。)
ビニル手袋とマスクをとって食事の続きをする(何度か繰り返す。2度めのおかわりをする子はそんなに多くありません。)
食べ終えたら、食器カゴの中の食器を整理して子どもたちが食器を戻せるようにする。(最近は、私より早く食べ終えた子がやってくれます。)

おたまやしゃもじを金具にセットしてまとめる。(早く食べ終えた子がやってくれるようになりました。)
おかわりがないか確認をし、ないようならば、食缶(大)に残った食べ物を移す。
おかずの食缶(小)に蓋をする。
しゃもじを片付け用に用意された水で洗い、その水をごはん用食缶にあけて軽く洗い、蓋をする。
食器カゴと大きなおかず食缶などを配膳台から下ろす。
あいた配膳台の部分を水雑巾で拭き、消毒する。
12:45になったら食べきれない子達に残して片付けをするよう、食べたい子には12:50まで食べて良い旨を伝える。
翌日の予定を前の黒板中央に書く。(コロナ対策で机の間が広く取られるようになったため、予定黒板では見えない子がいます。そのため、どこからでも見られるよう前の黒板中央に一旦予定を書くようにしています。昼休みになったら予定係がそれを予定黒板に写すことになっています。)
子どもたちは、早く食べ終わった子から食器の片付けをして、歯磨きをしに行く。そのときに、家から持ってきた台拭きを水道で濡らし自分の机を拭く。その後、予定黒板を見て予定帳を書く。(飛沫が飛ばないよう、うがいの水を優しく口から出すように指導してあります。)
12:50分にその日の当番がごちそうさまのあいさつをする。
全員の食器を片付けが終わったのを確認して、残菜の入れられた食缶(大)に蓋をする。配膳台から食器カゴや食缶を下ろす。
配膳台のまだ拭いていない部分を水雑巾で拭き、消毒をする。
12:56給食当番と給食室へ向かう。(給食室で3密になることを避けるために、各学年の出発時刻が決められています。だから、遅れることができません。)
給食室から戻ったら、次の日の予定についての説明をする。
13:05よりそうじ開始。
グループにより教室やワークスペースをほうきではくことになっている。それ以外の子は、自分のワークスペースや教室後ろの棚、机の中を整理整頓し、机の下にゴミが残っているようならば拾って捨てます。(現時点では、安全面を考え床の雑巾がけや大勢の机の水ぶきは行わないことになっています。水道清掃やトイレ清掃も教師が行うことになっています。)
担任は、バケツの水を捨て、水雑巾を洗う。
同時に、その日の牛乳パックをひとつひとつ水洗いする。(以前は、牛乳かかりが行っていましたが、直接口をつけるものであることから、担任が洗うようになりました。)


 これまで子どもたちに任せられるものは子どもたちが行うようにしてきました。しかし、新型コロナウィルス感染防止を考え、担任が多くのことを行うようになりました。前年度は、給食当番に仕事を任せ、日記を読むなどの仕事をしましたが、今は全くできません。自分自身が食べるのに使える時間は5分程度しかありません。
 それでも、早く食べ終わる子が気を使ってさまざまな仕事を手伝ってくれるようになりました。安全面に不安がない部分は、任せるようにしています。3/12は、F君、M君、U君、T君が自分から進んで食缶の片付けなどをしてくれました。大変助かりました。

 給食指導でやることが多いのはなんとかなるのですが、とてもとても残念に感じていることひとつがあります。それは、食事中に話ができないことです。

 本来、食事は楽しいものです。机をグループの形にして、どうってことのないおしゃべりをしながら食べることに価値があります。私も子どもたちのおしゃべりを聴きながら食べるのが好きでした。けれども、今は、シーンと静まった状態でみんなが食事をしています。しゃべっている子に、「だめ」と注意しなければなりません。おいしい給食も、味気ないものになってしまいます。これは、本当に残念なことです。


 世の中では、新型コロナウィルス感染拡大でさまざまな文化が悪影響を受けています。そして、教室でも食事という文化が侵食されてしまっていることを心から残念に思います。(以上学級通信より)

一番残念なのはおしゃべりできないこと

通信の最後にも書いてありますが、食事中に会話をすることができません。机と机の間もできるだけあけてはありますが、それでも、マスクを取って食事をすることを考えれば、会話ができないというのはやむを得ないことなのかもしれません。

シーンとした教室の中での食事は本当に味気ないものです。早くコロナに気を使わなくても生活できる世の中がやって来ることを望まないではいられません。

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