“００７ スペクター”を観てきました。

作品名：００７ スペクター
評価：★★★★　ジェームズ・ボンドらしさが戻ってきていい感じだった。

　2015/12/04 仕事を終えてから”００７ スペクター”を観てきました。
　００７シリーズは、ジェームズ役の役者さんが替わる度に雰囲気も変わってきました。私は現在のダニエル・クレイグさんをとってもいいと思っております。彼が主演になって、この作品で４作目だと思いますが、どれも好きです。

　今回、よかったのは、ショーン・コネリーさんがジェームズ役をやっていた頃の雰囲気に戻そうとしたところです。いっときのSF設定？　と思わせるような作品や、あり得ないアクションを展開させるような作品、あるいはその反動でボンド・ガールは誰？　と思わせるような地味さを感じさせる作品とはちがっていました。ジェームズはかっこよくておしゃれです。武器の扱いは手馴れて格闘技も強いです。でも、殴られれば気を失いますし、ピンチも迎えます。そして、ボンドガールにはちゃんと手を出します。スパイ兵器も、むちゃくちゃ万能なのではなくこれなら実際に作ることも可能という程度の節度あるものになっています。初期の００７シリーズらしさを現代の映画製作技術でうまくつくったという感じです。

　ストーリーは、ジェームズの生い立ちに関わる話を折り込み、これまでのエピソードが活かされています。話をむちゃくちゃに複雑にすることもなく、ジェームズを追っていればストーリーはだいたい飲み込めるようになっています。前作までを観ていなくても、全くわからないということはないと思われます。たぶんこうだったんじゃないかなぁっていう思いで見れば話をつかめると思います。そして、うれしいのは敵の組織が”スペクター”であるところです。ショーン・コネリーさんが主演していた頃の強敵です。……この作品だとボスが以前のスペクターのボスに比べ見劣りしてしまうところは少々残念ですが、ジェームズとの関係を考えれば、それもありかと思えます。

　残念なのは、２時間半という長さです。展開は結構速いのですが、少々長く感じさせます。メキシコ・イギリス・イタリア・日本・アフリカのどこか？……敵が国際犯罪組織だからということもあってあっちこっちに移動します。が、そんなにたくさん盛り込まなくてもいいんじゃないの？　って私は思ってしまいました。２時間位で収まるようにして、もう少しシンプルにした方がおもしろくなるんじゃないでしょうか？　とはいえ、見どころは満載ですしストーリーも面白いです。劇場でごらんになることをおすすめ対します。