映画館で映画を観る理由……

自宅のテレビでもたくさんの映画を楽しむことができる環境。

 我が家は、WOWOW と Hulu に加入しています。また、Amazon の Prime会員にもなっています。故に、オンデマンドで映画を見る方法が3つあります。
 また、ブルーレイレコーダーも3チューナーのものを使っていますので、そこそこ録りたい番組や映画を逃がすこともありません。
 自宅で楽に映画を見ることができるわけです。
 それぞれの会費を取られるわけですが、固定費として払ってしまえばいくらでも観られるという感じです。
 故に、半年から1年くらい待つことを厭わなければ、わざわざ映画館に行ってお金を払って映画を観る必要はありません。
 夏休み以降、成績処理や面談、音楽会、修学旅行の準備、受験する子の調査書作りなど、様々な仕事があって、映画館に行って映画を見る余裕が無くなっていました。(学校の教員の仕事は本当にブラックです。)
 それでも自宅で時間を見つけて上記の方法で映画を観たりしました。(多くの場合、何かをしながらであったり、何らかの理由で中断し細切れで観たりしましたが……邪道ですね。)
 だから、平日の夜に疲れ切った状態で映画を観に行くことをしなくなっていました。

久々にMovix清水に映画を観に行った。

 先日、久々に仕事の後の夜、映画を観に行きました。映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』スティーブン・キング原作のホラー映画です。昔、TV映画として作られたものをビデオで観ました。また、原作も読みました。さすがキングの作品! と思ったものでした。
 さて、上映がはじまる10分前にシアターの座席につきました。宣伝とか注意事項とかが流れるスクリーンをぼーっと観ておりました。
 すると、気付いたのです。

「ゆったりしている自分」

にです。
 この日も、結構忙しくて体は疲れていました。Movix清水のあるエスパルスドリームプラザの駐車場でも、映画を観るのをやめて家でビールでも飲もうか? と迷っていたくらいです。
 なんて心地よいのだろう? と思いました。

映画館の魅力は、大きなスクリーンや贅沢な音響だけではない

 映画好きな人が、映画館に足を運ぶ理由は何なのでしょう?
 テレビとは比べ物にならない大きなスクリーンでしょうか? どんなにがんばっても自宅では得られない音を作り出す音響装置でしょうか?
 私は、上記2つについては、そんなに魅力を感じません。いざストーリーの中に入ってしまえば、スクリーンの枠は消えてしまい、セリフがちゃんと聞こえれば音響の良し悪しも気にならなくなります。
 映画館の魅力は、その雰囲気にあるのだと考えます。
 上映前の薄暗い照明、見るとはなしに見ているスクリーンの映像、暑くもなく寒くもない(はずの)空調、他のお客の存在、……そういった要素がまざって映画館の雰囲気が成り立っています。
 映画館では、少し緊張を感じます。他のことを行わず映画を見ることだけに集中する。私は、映画館の魅力の一番は、この緊張感だと思っていました。
 しかし、それだけではなかったのです。緊張感もあるのですが、映画館には心地よさがあるのです。
 映画を見るためだけに用意されている空間と時間、それが、自分に心地よさを感じさせてくれる気がしました。

 『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』は、なかなかよい作品でした。昔のTVにも負けない怖さをうまく表現していました。ちょっと見せすぎ! と思うようなところと、冗長さはありましたが、お金を払って劇場で観るだけの価値はあると思いました。
 大満足して帰ることができました。
 おそらく、自宅のテレビで同じ作品を観ていたらそこまで満足して帰ることはなかっただろうなぁと思いました。

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