疑似学区探検の最大の問題

Google Earth や ストリートビューで擬似的に街の中を歩くことはできるけど

コロナウィルス感染防止のために、見学が実施できない状況が今も続いています。そのために、社会科や総合的な学習の時間に、学区内や市内を歩いて探検することができません。そのため、擬似的な探検をするようにしました。Google Earth や Google Map のストリートビューで街の中を歩くように授業をしてみました。子どもたちは、街の様子を視覚的に見て楽しみながら学習を進めました。そのことについては、以下のページでも紹介しました。

教師が、場所を子どもに提示するのには、ダイナミックな動きを見せる Google Earth を使い、子ども自身が自分で街の様子を見るのには Google Map のストリートビューの方が動作が早くて良さそうです。
ただ、いくら街の様子がわかるにしても、その限界を強く感じるようになりました。

ストリートビューで欠落しているのは?

子どもが、ストリートビューを操作しながら街の様子を確認しているときに、感じた大きな限界とは「人の不在」です。

たしかに、ストリートビューで建物の様子はわかります。商店街の街の並びがよくわかります。デパートなどの建物では、中のテナントの店の様子さえわかります。また、山間部では、茶畑が斜面に広がっているのもわかりますし、昔の街道筋では茅葺きの店の構えもわかります。

しかし、そこには人の存在がないのです。もちろん、ストリートビューで写っている人々はいます。商店街のにぎやかさもわかります。しかし、それぞれの顔はマスクされ匿名性が高くなっています。つまり誰でもない存在なのです。何かをしているということはわかることもありますが、表情は想像できません。いうなれば、ストリートビューで示されているのは、人は影だけのゴーストタウンなのです。

社会科でも総合的な学習の時間でも「人」が大事

小学校3年生の社会科でも、総合的な学習の時間でも、「人」が大切です。商店街の学習では、ただ商店があるということではなく、商店で働いている人がいて、それぞれに願いをもち、工夫をし一生懸命働いているということを学習することがたいせつなのです。

そういう点で、Google Earth や Google Map のストリートビュー の擬似的学区探検には限界があると感じました。当たり前といえば当たり前の話ですが。

「人」についての学習をどう補完するかというのが大事なことになりそうです。

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